こみみかわら版バックナンバー

第66回 七尾市 米町

248七尾市 米町

 

在所名の由来


昔は米町の路地から海が見えていたくらい、海に近い町だったんだよ。前田利家の城下、七尾港に入る船から降ろした米を扱う米問屋がこの町にあったんだね。城下町で米問屋があったことから、米町となったんだろうね。
発音は「こんまち」と呼んでいるが、理由はなぜだかわからないんだよ。志賀町に流れる「米町川」も「こんまちかわ」と呼ばれているようだしね。「こめまち」が訛って「こんまち」になったのかもしれないね。



昔と今


回船問屋もあって賑わいのある町だったと聞いているよ。戦後はその回船問屋の敷地に進駐軍が駐留していたのをよく覚えているよ。ここは市街地なので住宅街の中にもいろんなお店が点在していたね。
私の母も髪結いでね、日本髪の美容室をやっていたよ。最近は若い人が少なくて、高齢化率が高く町会運営も難しくなってきているよ。



在所の取組


世の中、便利になった分だけ、いっしょに何かしようという事は少しずつ少なくなっているけど、ここは「ちょんこ山」で町内の絆が保たれているよ。デカ山の前座で子どもが引く山車で「ちょんこ山」と思っている人もいるけど、歴史的には別物なんだよ。この祭りは気多本宮の春祭りでね、元々古くからある祭りがあって、そこに山車を引くようになったのは、江戸時代初期だと古文書から推測されているよ。
当初は米町と木町の二台だけだったけど、現在は生駒、阿良、一本杉、亀山の各町会が加わり六台で市街地を曳いて回るんだ。全ての山車には梅鉢紋が使われていてね、前田家から認められていたんだろうね。米町の山車は由緒があるので老いも若きも祭りには責任感をもって取組んでいるよ。歴史ある「ちょんこ山」を守る使命が在所の絆を保っているんだね。米町の山車の人形は大国主命(大黒様)なんだけど、その恩恵につくづく感謝していますよ。(笑)