こみみかわら版バックナンバー

第75回 七尾市飯川町

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「七尾市飯川町(いがわまち)」

東往来沿いから徳田駅付近までに位置し、鹿島バイパスが通る、147世帯、464人が暮らす在所です。

在所名の由来

古文書によると平安時代この周辺一帯が飯川保と呼ばれる荘園で、この地を領有していた豪族が飯川氏で、その名に由来しているという説があるよ。

昔と今

飯川大池と言ってとても大きな池があるけど、私が小学生の頃は水が澄んでとても綺麗な池だったよ。学校帰り泳いでから家へ帰ったものだよ。その頃の産業は織物だったね。徳田織物と七尾織物と二つの大きな工場があって、東北から集団就職で若い織子さんが来て賑やかな在所だったよ。多い時で二百人くらい寄宿舎で生活してたらしいよ。近所のやきそばや焼きまんじゅうのお店はいつもいっぱいで華やかだったね。

娯楽で東映の巡回映画も来ていたから近所の子ども達も見に行ったもんだよ。年頃の女性だから地元の男性と恋愛結婚も多かったようだね。最近は人口減が心配だね。獅子舞の踊り子も小学生だけでは出来なくて若い衆も困っているんだ。今年から中学、高校生にも応援してもらう予定なんだよ。

在所の自慢

何と言っても大欅だよ。樹齢は約七百年、飯川のシンボルだね。市の天然記念物に指定されているけど、老木なので三年計画の延命治療を施しているよ。

在所を明るくして景観を良くせんかと、フラワーサークルを作って月一回花いっぱい運動で花壇を作ったり花を植えたり、草取りしていたら、平成二十四年の『ななお景観賞』に、この欅を中心に東屋が並ぶ町並みが選ばれたよ。嬉しいね。

あさみのひとこと

大欅は有名ですが、池も大きくてすごいです。 在所のお寺の門徒数からも江曾村の出村で新興の在所だったことが伺えます。