切なさの残る野焼き
野焼き
先祖が苦労をして作って、耕してきた田んぼで、
刈った草を燃やしています。
この田んぼ、お米を作っていません。
減反調整で田植えをしなくなった田んぼです。
それでは畑にして別の作物を植えれば
どうですかと聞いてみました。
上のため池から水をひいていたが、
そのため池も壊れていて修繕に
かなりの費用がかかるので、
この農地はもう使えないという。
それでも、草が生え、ご近所に迷惑にならないよう
毎年草刈をして、野焼きをしているのだと言います。
お父さんは、切実な声で、
何とかならんもんかなぁと嘆きました。
それは野焼きの手間暇がかかるというより、
先祖代々、苦労して守ってきた田畑が、
時代の流れの中で、守りきれず
消滅していく事への切なさのように聞こえました。
減反調整と担い手の高齢化で、
能登地方では、耕作放棄地が増え続けています。