猪捕獲の檻から見える、島民の絆
能登国観音霊場10番札所
中能登町小田中の初瀬観音
へ取材で出向いた時、
近くに仕掛けてあった
猪捕獲の檻を初めて見ました。
猪は繁殖力が凄いので、
このような檻がいくつあっても
防ぐことは出来ないです。
農作物の被害を電気柵なので
対応しようとしていますが、
今後、戦略的な方針が無く、
中途半端な対処法では、
猪はどんどん増え続けていきます。
江戸時代、長崎県の対馬で
猪が農民を苦しめていた時、
陶山訥庵(すやまとつあん)という人物が
猪全滅作戦を行いました。
南北82kmの細長い島に、
島民2万人に対して猪8万頭だったと言います。
最初、農民たちは場当たり的に、
各村々で猪狩をしていましたが、
繁殖力が凄いので焼け石に水。
そこで、陶山訥庵は、
島を細分化し、そのエリアを各個撃破して、
作戦を成功させました。
能登半島も、里山に猪と共存するのか、
広域的に戦略を立てて猪を追い出してしまうのか、
リーダシップ、予算、含めて難しい問題です。
そう思うと、江戸時代にそれを成し遂げた
陶山訥庵という人物の偉大さがわかります。
そして、江戸時代でも、
生類憐みの令が出ていた時だというから
命がけのプロジェクトだったはずです。
それでも島民を守ろうとして立ち上がった
信念はとても凄いと思います。