第60回 七尾市杉森町
在所名の由来
在所の山は昔から杉山で、今も大きな杉林が多くある所を見ると、杉の森の在所だったんだね。
昔と今
昔は竹籠の産地でね、近年まで職人がいたんだよ。 今は高齢化でね、技術は伝承されているんだが、趣味で作っている人が若干いるくらいだよ。 この地の豪族、長 連龍が名産の浜豆腐・くも蛸・白浜のみかんを金沢に送るための製造を命じたことが起こりらしいよ。 昭和58年、 石川県で開催の全国植樹祭では、天皇陛下お手植えの杉苗を入れる籠を奉納した名人が在所にいたんだよ。 昔、二宮川は暴れ川で、洪水被害が多くてね、それで川を改修したんだね。 昔の川は県道になって、今の川は山を削って作ったんだよ。 昔の川には鮭が遡上していて、ヤスで突いてみんなで酒盛りしていたと聞いてるよ。 子どもの頃は、なまず・八目うなぎも獲れてね、その川で泳いでいたよ。 最近は高田町会と 一緒に二宮川を美しくする会を結成して環境保全に力を入れているけど、正直なもので、川を大事にしたら数年前から鮭が遡上してきたよ。 不思議と言うか、正直と言うか、考えさせられるね。
今後
町民の要望も聞きながら、時代に合わせて一つずつ改善していくことを心がけたいと思うし、改めて実感するんだけど、在所の歴史や文化、伝統をしっかりと理解して次の世代に引き継がないといけないと思うようになったよ。 杉森の火宮神社は室町時代からのものと思われ、由緒格式があるんだが、祭りなど形式的に行われていることの歴史的背景なども古老から教えてもらい繋いでいかなくてはならないね。 多くの先祖が、その時代を必死に生き抜いてきた歴史を背負って、今私たちが生かされているからね。
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