こみみかわら版バックナンバー

私の仕事は『和菓子職人』です

248和菓子職人

和菓子職人の仕事とは


お茶席などに使う練切りという上生菓子や、餅、団子、饅頭、ようかん、最中など引き出物やお土産、おやつとして食する朝生菓子などを製造する仕事です。



きっかけ


和菓子屋の息子として育ったんですが、学生時代はまだケーキの方が美味しいと思っていたくらいで、「自分が何になりたいんだ」と考えた時、和菓子か洋菓子か決められず、それで学生時代から和食、洋食、和菓子、洋菓子をとにかく食べ歩き、「自分はどっちだ」と考え続けていました。それまでは和菓子の良さが何なのか感じられなかったんですが、色々なお店を巡っているうちに、和食の繊細さと同じように和菓子も繊細で、しみじみとした美味しさがあることに気が付きました。



道のり


食べ歩く中、初めて「和菓子が美味しい!」と感じたお店があり、大学を卒業するとすぐに飛び込みでお願いに行きました。家族経営の小さなお店ですが、そこの親父さんが、和菓子職人の厳しさを話し、覚悟を求められ住み込みが条件で弟子入りしました。朝早くから夜遅くまで、洗い物から、あんこを炊いたり、生地を作ったりと和菓子職人の基礎を徹底して仕込まれました。ここでの修行を通して家業を継ぐ意思が固まりました。帰郷を前に江戸上菓子の世界で見聞を広めるため浅草の老舗にもお世話になり、ここでは製造と販売も経験させて頂きました。どれだけおいしいお菓子を作っても、知ってもらい、食べて頂くことが何より大切なことだと教えて頂き、昨年七尾に帰りました。



意外な話


砂糖が高級な時代は、甘いほど高級なお菓子で、また砂糖が多いほど日持ちも良くなります。同じ食材でも季節で柔らかさ、口溶け、見た目が変わり、お客様の好みも変わります。
夏は甘いよりあっさりが好まれますが、夏は腐りやすくなります。
そんな折り合いをどうつけていくか、ここにも職人技が求められます。



心がけていること


理想の和菓子にすることは本当に大変なことです。どうしたら美味しい和菓子がつくれるかいつも考えています。ひらめき、試作、失敗、落胆の繰り返しです。その繰り返しの中から、繊細で上品な和菓子が生まれるのだと思います。流行を追うのではなく、まず和菓子の真髄を極めたいと思います。そしてその先には和菓子を通じて社会に貢献できることが沢山あるのではないかと思っています。



これから


お店は私で四代目になり、今年創業百年を迎えます。本当に多くのお客様と、そして梅屋歴代の菓子職人の方々に支えて頂いた賜物だと思います。私自身は梅屋での修行が始まったばかりであり、先輩の下で教えを頂きながら、お客様のお役に立ち続けられるよう、和菓子職人として精進を重ねていく覚悟です。


住所:  七尾市作事町1


電話: 0767-53-0787


[mappress mapid="95"]