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第9回「輝け!郷土の星」柔道の北野 那美さん (鳥屋小6年)


石川県大会で個人優勝

 昨年11月、金沢市で開催された第40回県少年柔道大会の女子個人戦で見事優勝した那美さん。
中能登柔道教室で練習に練習を重ね掴んだ栄光だ。
 
柔道を習い始めたのは5歳だった。
三人姉妹の末っ子で、姉二人が教室に通っていたので、遊び気分で付いていくうちに自然と始めていた。

練習は週3日、夕方6時から3時間、30分間のランニングと体操で十分に体をほぐしてから、
受身を徹底して練習し、寝技、立ち技と続く。
小学生以下の教室なので先生は怪我をしないよう特に気を配る。

目標を持つ

練習は辛いと思ったことはなく 「楽しい」 という那美さんだが、
小1で初めて出場した能登地区大会では1回戦で負けた。
 
「くやしい!」 
 
この時に勝ちたい気持ちが湧いたと言う。
次の大会では『1回戦には、とにかく勝つ!』それが目標となった。
それからは常に自分より強い相手と練習した。
目標を持って練習するので実力がついていく。

 全国小学生学年別大会では1年から5年まで石川県優勝を続け敵無しだった。
5年生から全国大会が開催され、各県の優勝者が集まるこの大会に石川県代表で出場した。
1回戦、僅差の判定負け。全国の壁は厚い。
 
『全国大会の1回戦にはとにかく勝つ!』
新たな目標が出来た。

 そして迎えた6年生、6月の県大会で無念の準優勝。
全国大会へ行けなかった。
柔道を始めて、初めて泣いた。

その時のことを姉に聞くと、悔し涙で泣いて、布団から出てこなかったという。
「一生懸命練習して負けたので、もっと練習するしかないと思いました」と那美さん。
生活を柔道中心のサイクルに合わせ、覚悟を決め練習に励んだ。
  

そして、夏に負けた相手に、冬に勝った。



中能登柔道教室

 実はこの大会で中能登柔道教室は団体戦でも優勝しているのだ。
団体戦は団結力の勝負だと監督。
そのため遠征や合宿を行う。
初めて親元を離れて寝泊りする子は自信となり、小さな子を世話する上級生は責任感が養われ、
チームがひとつになっていくという。 

 またそれぞれの、能力に合せた目標を一緒に決めていき、それに応じた指導をする。
正月の稽古始めに自分の目標を書初めし中能登の武道館に一年間掲げる。

それぞれに目標があるから辛い練習もみんなで頑張れるのだ。
目標を達成し喜びを体験することで次への励みになっていく。

 教室には厳しさだけでなく楽しさも用意されている。
スキーに行ったり、食事会を行ったり父兄会が協力する。
指導者、生徒、父兄、三位一体で教室を盛り上げているのだ。

監督は「柔道を通じて、社会人として通用する人間になってもらいたい」、
そのために指導するのだと言う。
そんな子供たちの頑張りが5人の指導者の励みとなる。

 監督に北野三姉妹について聞いた。
一番の努力家は長女、センスが良いのは二女だという。

そして三女の那美さんのことは、なぜか語らなかった。
その胸中はわからないが、その目からは、成長を楽しみに期待していることは確かだ。
 
 
 監督として、 そして父親として。