こみみかわら版バックナンバー

第10回「輝け!郷土の星」卓球の平泉 心那さん (徳田小5年)


伝統の石川県選手権で優勝!

昨年12月、第75回石川県卓球選手権カブ女子シングルスで見事優勝した心那さん。

保育園児だった心那さんは兄の通う教室へ連れられて行くうちに、
自分も卓球をやりたいと思うようになる。

卓球は園児を含む小学2年生以下のバンビ、3、4年生はカブ、5、6年生がホープスというクラスに分かれる。
バンビは卓球台の高さが10cm低くなるがそれ以外はラケットもボールもラバーも同じだ。

心那さんは小さな体でボールに飛びつき練習を続ける。
結果が出たのが小学2年生、県大会で優勝、3年生、4年生と優勝を続け3連覇だ。
個人戦はもとより、団体戦の石川代表にも選ばれて全国大会に出ている。

しかし全国の壁は厚い。

3度出場した個人戦、1勝が出来ない。
今年5月に行われる全国大会予選の石川県小学生大会で勝ち、
7月神戸で開催される全日本卓球選手権大会で1勝することが当面の目標だ。

松平スポーツ卓球教室

心那さんは週3日教室に通って約1時間半の練習のほか、松平先生から個人指導も受ける。

その練習は容赦ない叱咤が飛ぶ。
先生の手元から飛び出すボール、それに反応する心那さん。

「ボールを追っかけてどうする!」 「どこにボールが来るか先を読まんかい!」 そんな声が続く。

「練習は辛くないの?」
「ハイ、楽しいです」 「どうして楽しいの?」 「勝ったとき嬉しいからです」

心那さんは、自分が強くなるために先生が厳しく指導していること、
そして、その先の自分の姿を見つめているのだ。
松平先生は倉庫精練の実業団選手として活躍した後、七尾に戻りスポーツ店を開き、
傍ら能登の中学、高校の卓球部へ出前指導を続けてきた。

そして21年前、お店の横に卓球場を建て教室を開く。
そしてこの教室から、息子であり、日本を代表する松平賢二、健太の一流選手が育っていくのである。

先生は県大会優勝は努力の範囲でなれるが、それ以上目指すなら卓越した俊敏性、
反射神経など卓球センスがないと厳しく、 努力 + 素質、そこにどれだけの伸び代が
あるかだという。
ハードな練習だけでなく、心身の成長に合わせて上手に、伸び代を伸ばしていく、

ここに松平流指導の極意があるように見えた



アスリートの資質

石川佳純選手が好きだという心那さんは、笑顔が可愛い小学生だ。

疲れた顔も見せず、先生のアドバイスに耳を傾け淡々と練習する。
勝つことがモチベーションとなり目標に向って、全てを自分の事として向き合っている。
それこそがアスリートとしての資質の源なのだろう。

サーブの瞬間、ラケットの動きを見て回転を読み、瞬時に反射する卓球は神経戦でもあり、
小さな台の上で繰り広げるボールの打ち合いは、正に格闘技でもある。
心那さんの練習を見て、卓球はボールの回転より速い、 頭の回転が求められる競技だと知った。


私が知っている、 ピンポン とは、まったくの別物であった。