こみみかわら版バックナンバー

第13回 「輝け郷土の星」  弓道の岡野 暉くん(中能登中3年)


第50回石川県中学校体育大会弓道競技で優勝


今年、中能登中学校弓道部は個人戦と団体戦で石川県優勝しました。個人優勝の暉くんは団体戦にも出場し8月20日に東京の明治神宮にある中央道場での全国中学生弓道大会に出場しました。小学生の時バトミントンをやっていた暉くんですが、部活に弓道があり見学に行くと先輩の弓を引く姿に惹かれて入部します。しかし半年間は弓を持たせてもらえず腕立、腹筋に明け暮れました。初めて矢を放ったとき28m先の的は遠く半分しか飛びませんでした。弓道は思った以上に難しいと感じた暉くんですが、真面目な性格で休む事無くコツコツ練習を続けます。初めて的に当たった時はテストで90点を取ったくらいに嬉しかったそうです。加賀賢成コーチに入部してきた暉くんは才能があったのですかと質問すると、即座に「無い!」との返事です。ただ努力家で素直に指導を聞き入れ、真剣に練習を続けてきたので、今年急に頭角が現れたと言います。


中能登中学校弓道部


平成25年、鹿島、鳥屋、鹿西の中学が統合され中能登中学校になった時、弓道場も建てられました。これは鹿島中学に弓道部があったからです。旧鹿島町は弓道の盛んな土地柄で、今年の岩手国体に石川県代表として成年男子で曽山良和選手、成年女子で山口千春選手が出場します。曽山選手はすでに全日本で3度優勝しています。中能登中学弓道部はそんな選手と交わる機会を持ち練習に励んでいます。弓道部のなかった鳥屋、鹿西地区の生徒も弓道に触れる機会ができ、部員数は男女50名です。弓矢を持って立つ部員から厳粛な空気が漂ってきます。今年出場した県内と北陸三県の5大会全てで男子は団体優勝しました。団体戦は大前、中、落と3名で戦います。大前、清水来樹くんは鹿島出身。中、岡野暉くんは鳥屋出身。落、山邊晃聖くんは鹿西出身です。試合では状況を見てお互いにアドバイスします。暉くんは信頼する仲間が後ろにいることで安心して試合ができたと言います。



山邊・岡野・清水の絆


独自の会


弓道では射法八節といって矢を射る立振舞いがあります。矢を放つ直前の構えを会(かい)と言います。会は指導を受け身につけるのですが、暉くんは独自の会を作り上げました。加賀コーチは誰も真似の出来ない天性の会だと言います。暉くんは特別意識したわけでなく、教えを聞き自分なりに考えながら、ただコツコツ練習を重ねていく内に自然とこの会に辿り着いたと言います。弓道は36cmの的に矢が当たるか当たらないかの勝負で、技術もさることながら強い精神力が求められます。大会では8割の力が出せれば最高だと言われ、練習は大会のつもり、大会は練習のつもりと常に平常心を養います。奥が深い弓道だからこそ、持ち前の素直さと直向さで練習を続ければ、まだまだ楽しみな暉くんです。



礼儀礼節、心身の鍛錬