こみみかわら版バックナンバー

第16回 「輝け!郷土の星」 中距離走の増田 海輝くん(中能登中3年)


大会新記録!第68回石川県中学校陸上競技大会800m


中学3年生になって頭角を現した海輝くんは、1分59秒74の大会新記録で全中標準記録を突破し、8月に長野県松本市で開催された全日本中学陸上選手県大会に出場しました。1分58秒97で予選を1位で通過するも、準決勝で記録を伸ばせず4位、残念ながら決勝へは進めませんでした。海輝くんは小学校3年と4年の時に鳥屋アスリートクラブで陸上をしていましたが、5年と6年はサッカーをしていました。中学に入学しサッカーではレギュラーになれないと思い、家族と相談して陸上部に入る事にしました。


守山コーチ


陸上部では外部コーチの守山さんから指導を受けますが、体力がなく練習についていけず本当に嫌で嫌でしょうがありませんでした。嫌な顔をしていたら叱られると思い、顔には出さず練習を続けていると、だんだん走ることが楽しくなります。 1年生の1500mで県体3位になり北信越大会へ出ました。 しかし2年生の時、信頼していた守山さんがコーチとして来られなくなり、海輝くんは練習に身が入らない日が続きます。 それでもその年の県体800m決勝で、ラスト200mにスパートをかけ5位から3位に入賞します。この時のことを「めっちゃ、気持ち良かった」と話す海輝くん。ラストスパートで抜き去る快感が海輝くんの心に火をつけ「全中に出る!」と決意します。2年生の冬になり守山さんが鹿西スポーツセンターで女子選手強化の練習会を始めたことを聞き、自分にも指導してほしいとお願いに行きました。守山さんのもとで練習が始まり、走りこみや筋トレで徐々に体力がつきました。



中能登中 陸上部


頭角を現す


3年生になると大会ごとに自己ベストが更新されていきました。6月の県体では1500mに優勝。7月の全日本中学通信陸上石川県大会では1500m、3000mに優勝します。しかし6月の県体では大失態します。予選を大会新記録で通過した800m決勝、そのスタート時間を間違え召集漏れとなり決勝レースに出場できなくなったのです。北信越大会で優勝を狙える記録を出していたので「本当にショックでした。今までに一番悲しい出来事です」と悔やむ海輝くんです。 応援に来ていた家族もガッカリするし、 守山さんも呆れてしまいました。 しかしいつまでも悔やんではいられません。 1月22日に広島県で行われる都道府県対抗駅伝の石川県メンバーの候補になっているので、なんとしても選ばれるよう毎日練習を続けています。今、陸上部員3人で朝ごはんを持って6時40分に学校へ来て4000mを走り、学校で朝食をとり、それから授業です。放課後の部活を済ませ、午後7時半から9時までは守山さんの練習会に参加します。普段はゲームが大好きな海輝くんですが、目標を持った時には強い信念で努力します。高校へ進学しても陸上を続けたいと話す海輝くんは、陸上部の先生と仲間、そして守山さんと家族に支えられていることに感謝を忘れることなく、今日も走ります!



ラストスパート!