こみみかわら版バックナンバー

第20回 「輝け!郷土の星」 吹奏楽部キャプテン 二宮 妃那さん(中能登中3年)


平成28年 石川県吹奏楽コンクール 中学生の部 金賞


中能登中学吹奏楽部、昨年、一昨年と金賞を受賞。来る7月23日のコンクールに向けて練習に励むキャプテンの二宮妃那さん。中学校に入学し、部活体験期間に聴いた吹奏楽部のミニコンサート。そこで女性ドラマーの姿に「カッコイイ!」と感動し入部しました。数ある楽器の中から妃那さんが選んだのはクラリネットです。クラリネットの先輩が優しかったから安心かなと思ったそうです。マウスピースだけでの練習、息を吹くだけでは音は出ません。この時は「むっちゃ、腹式呼吸で練習しましたよ」と笑う妃那さん。音階練習に入ると今度は最後の「シ」と「ド」が出ません。 指を押さえる箇所が「シ」から急に多くなるため徹底して反復練習しました。はやく先輩のように奏でたいと励んでいると、ある瞬間、音が出たのです。先輩が優しいと選んだクラリネットですが、練習を重ねるうちに愛着が湧いて来ました。
初ステージはラピア鹿島での定期演奏会です。 NHK朝の連続ドラマ「まれ」のテーマ曲を一年生だけで演奏し歌いました。先輩の前でとても 緊張しましたが無事終わった時にはホッとしました。1年生の9月に初めて先輩と練習を行い、音色や表現力の凄さを実感した妃那さんは、いずれ自分も同じように演奏出来るんだとワクワクしました。



応援歌を演奏


キャプテンとして


2年生の8月、次年度のキャプテンとして妃那さんが指名されました。「えっ!なんで私が?」「どうしよう…」と戸惑います。吹奏楽部は団体競技で体育会と同じ先輩後輩のけじめがある縦社会です。先輩の指名、・・・・・。「やるしかないか!よしやろう!」「選んでもらったからには、精一杯頑張ろう!」と覚悟を決めました。顧問の森田先生も「二宮は人望があり、何事も素直に一生懸命やる。みんなの気持ちを汲み取る懐の深さもある。先輩もそんな姿を見て決めたのではないか」と話します。しかし今、妃那さんは悩んでいます。本当にキャプテンとしての役割を果たしているだろうか。今の状態で3年連続の金賞を受賞出来るのか。自分たちの代で崩してはいけない!気合いと焦りが交錯する中、キャプテンとしての力不足を情けないと感じています。チームワークが大切な吹奏楽部だが、優しさだけでは演奏のレベルが上がらない。残された期間は少ない。昨年より人数が多いのに音量は小さい。仕上がりのペースも例年に比べ遅い。部員一人一人にどれほどの危機感があるのだろうか?中能登中が出来て5年目。歴史が浅い中で先輩が実績を残し伝統を築きあげている。その努力を思うと自分の無力さに涙がでる。楽器は練習を積み重ねれば上手くなる。問題は心のハーモニーだ。全員が志を抱き、同じ目標を持たなければ吹奏楽は成立しない。心が一つになった瞬間、大きな球体のようにまとまった音になり聴く人を魅了する。 部員の心を一つに出来るのか?キャプテン二宮妃那に入部以来最大の試練が突き付けられている。地域のイベントで活躍する中能登中学吹奏楽部。地域のみんなが応援している。 「一音入魂」で臨んでほしい!


中能登中学 吹奏楽部