こみみかわら版バックナンバー

第24回 「輝け!郷土の星」 水泳の村中 亮太くん(七尾東部中3年)


石川県中学校水泳競技会400m個人メドレーで優勝


水泳競技では久しぶりに能登地区からの県1位となった亮太くんです。
金沢や加賀地区ではスイミングスクールも数多く選手層が厚いので能登地区から優勝が遠のいていました。亮太君は母親に連れられて4歳から水泳を始めました。七尾市小学生の背泳ぎ50mの記録保持者でもあり、今年7月に行われた七尾市水泳大会100m背泳ぎで24年ぶりに新記録を更新しました。小4からスポーツギャザーの高橋コーチの指導を受け、中2から400m個人メドレーを始めました。


七尾東部中水泳部


部活動では6月から8月は城山水泳プールで練習します。ここは50m公認8コースのプールです。半分の4コースは競泳選手用にコースロープが張ってありスタート台もあります。ここでは七尾中学と中能登中学も練習に来ていますが、どこも部員数が少なく4名しかいません。全員スイミングスクールが同じなので練習の指示は高橋コーチから出ており合同で練習します。顧問の藤原先生もプールサイドで練習メニューを確認しながら見守ります。練習は手だけで泳ぐプルを100m、手を動かさず足だけで泳ぐキックを100m、これを5セット。その後はバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールを各100m延々と時間が来るまで泳ぎ続けます。なんと1時間30分プールから上がることなく泳ぎ続けるというから驚きました。



大差で優勝


それでも楽しい


午後6時半、今度はスイミングスクールで2時間泳ぎます。盆も正月も休まず1年中練習をしていると聞き、やめたいと思ったことはないの? と質問しました。亮太君は「何回も!ある!」と力を込めて答えました。小学生の時にギャザーの合宿できつ過ぎたので泣いたこともあったと言います。それなのになんで続けるの?と聞くと、「やっぱり楽しいから」と答えます。苦しい練習の後の達成感、自分で決めた目標に近づく到達感。
だから、やっぱり楽しい。やり抜いている者にしか味わえない本当の楽しさがあるのだと思いました。亮太君は試合で順位が良くても自己ベストが出ないとスッキリしないと言います。水泳は記録の世界で常に自己との戦いです。厳しい練習は自立心を培っているようです。いつも励まし応援してくれる家族に感謝し、自分で出来る事は自分でと水着は毎日手洗いしています。そんな亮太くんですが最近興味を持っているのは料理です。オムライスや野菜炒めなどを作るそうです。やってみたら意外に上手く出来たのでこれもまた楽しいひと時だそうです。来春は高校受験ですが競泳を続けるため金沢学院高校を目指します。親元を離れ自立して厳しい練習に耐える自己との戦いが、無意識の内に始まっているのかもしれません。いつも爽やかな笑顔の亮太くんですが、藤原先生はひとたびプールに入ると顔つきが変ると言います。そこは自分自身と真剣に向き合う神聖な場所であり、人生をも極めていく道場となっているかのようです。
一筋に、黙々と、一人泳ぐ! かっこいいぞ! 亮太!



親族の応援に感謝