こみみかわら版バックナンバー

第25回 「輝け!郷土の星」 バスケットボールの 小林 きららさん(七尾中3年)


石川県大会・北信越大会優勝


今年、御祓中、朝日中、田鶴浜中が併合し誕生した七尾中学校の女子バスケットボール部、8月に沖縄で開催された全国大会へ出場しベスト16まで進みました。石川県大会優勝、北信越大会優勝を経ての活躍です。しかし本当はベスト8を目指していたので嬉しさ半分、悔しさ半分だとエースのきあらさんは話してくれました。きあらさんは高校、大学、一般とバスケットを続け、高校時代には石川県の国体選手にも選ばれた父親の姿に憧れていました。それで小丸山小学校2年生からミニバスの七尾ブルドックで練習して来ました。もっとバスケットで強くなりたいと中学へ進む時に、田鶴浜中学の東間先生を慕い越境入学します。先生はきあらさんのセンスを見抜きエースとして育てます。その田鶴浜中学が昨年の石川県大会で初優勝を成し遂げました。東間先生は過去10回も北信越大会へチームを導いた指導者ですが、どうしても全国大会へ進めませんでした。新生七尾中学の監督となって、田鶴浜中学から育ててきたメンバーが主力となり、ついに今年11回目の北信越大会で優勝し全国大会に出場することが出来たのです。


全国大会ベスト16


全国大会では予選リーグで秋田県大曲中学と広島県古田中学に勝利し決勝トーナメントへ進みます。その1回戦で栃木県南陽中学と対戦し45対48で惜しくも破れました。しかしこの1戦は会場を沸かす見ごたえのある試合となりました。相手チームのエースは日本バスケットボール協会の15歳以下の強化選手に選ばれており、163cmのきあらさんより10cmも背が高い選手です。試合はきあらさんの個人技で得点を重ね前半は26対20でリードします。後半は逆転につぐ逆転、一進一退の攻防が続き、両エースのすばらしい活躍で最後まで緊迫した試合だったと言います。



北信越大会にて


師弟子


2年前から中学生の大会はゾーンディフェンスが禁止されマンツーマンが義務付けられました。将来に向け世界に通用する選手を育て、強い日本代表チームを作るためにです。マンツーマンでは一人一人に状況判断力、高い運動能力に強力な突破力が求められます。きあらさんはテクニックに加えこれらの能力を備え、誰もが認めるポイントゲッターです。対戦相手のエースより必ず多く得点すると闘志を燃やしコートに立つことでチームを勝利に導きます。どんなに厳しい練習でも泣を見せないきあらさんが、この試合の休憩時に涙しました。試合ではいろんな場面が展開するので的確に状況判断し、戦略を立てチームで課題解決しなければなりません。この時は何も出来ずにいる自分への悔し涙だったのです。
きあらさんは将来指導者として選手を育てたいと話してくれました。
その時、東間先生は頷きながらも、御祓中学出身の坂本美樹選手が実業団のトヨタ紡績で頑張っているし、全日本代表の町田瑠唯選手は162cmと小柄でも頑張っている。と呟きました。 それは高校大学と実力をつけ、
思いきり羽ばたいてみろ! きあら! と言ったように聞こえました。



七尾中バスケットボール部