こみみかわら版バックナンバー

第30回 「輝け!郷土の星」相撲の谷口 愛さん(中島小5年)


第20回全日本小学生女子相撲大会で優勝

小さい時から口数が少なく、おとなしい性格の愛さんですが、体が大きかったこともあり小4の時、お父さんの薦めで七尾青年会議所主催のわんぱく相撲に出場しました。小丸山城址公園の愛宕山相撲場で162cm、75㎏の愛さんは男女混合の試合で4位となり、男子に勝てる楽しさと、優勝できなかった悔しさを経験します。

七尾能登島相撲クラブの新崎監督はそんな愛さんの素質を見抜きクラブへ誘ってくれました。監督の指導のもと四股、すり足、ぶつかり稽古と相撲の基本を忠実に稽古するとメキメキと力が付き、5年生のわんぱく相撲七尾大会、県大会と見事優勝。この時愛さんは嬉しくて土俵下で泣いてしまいました。

男子は国技館でのわんぱく相撲全国大会に進むのですが、女子は8月の全日本女子相撲郡上大会に出場することになります。勢いに乗る愛さんは、この大会でも優勝し、さらに10月の大阪で開催された全日本小学生女子相撲大会5年生の部でも優勝しました。

女子相撲

大相撲は男だけの世界ですが、女相撲は江戸時代から行なわれており全国各地に伝統行事として数多く残っています。またヨーロッパなども女子相撲が盛んで世界大会も行なわれています。

一昨年モンゴルで開催された世界ジュニア女子相撲選手権では金沢学院高校の山下紗莉奈さんが優勝しましたが、彼女も小学生の頃は宝達志水町から七尾能登島相撲クラブへ出稽古に来ていました。また大相撲で活躍の輝関はお姉さんが女子相撲をやっていたことがキッカケで相撲を始めています。



団体・個人男女・完全優勝!


恵まれた環境


身近に女子相撲の先輩が多くいることも愛さんにとって恵まれていました。全国大会の会場では石川県の中学や高校の女子相撲の先輩が愛さんを可愛がってくれ、試合前の調整をしたり、土俵に送り出したりと面倒を見てくれます。県内の大会ではその運営や審判員には顔見知りの地元の大人達がいることで、雰囲気に飲まれることなく安心して臨む事が出来ます。


お父さんはそんな環境も相撲王国としての層の厚みであり、伝統を繋いできた関係者のお陰であり、愛は本当に恵まれていると言います。新崎監督は愛さんに期待をしながらも、あくまでも本人の自覚を促しながら指導を試みているようです。

今年全国2連覇を目指しますが、ライバルは愛さんを研究して挑んできます。愛さんは恵まれた身体能力でスピードとパワーに勝りますが、全国大会では小さい時から柔道やレスリングをやっている選手がほとんどで、まわしを取られると苦戦が予想されます。この冬減量を指示した新崎監督の胸の内には二連覇に向けての思いがあるようです。

全国大会決勝戦、「勝って帰るぞ」と監督の小声、「うん」と頷き土俵に向う愛さん。 絶対的な信頼感が結果を引き出すのである。二人だけに通じる気脈がある。



七尾能登島相撲クラブ