第31回 「輝け!郷土の星」競歩の西 未来さん(七尾高校2年)
第59回石川県高等学校新人陸上競技大会で優勝
昨年の県新人大会で1年生ながら優勝を成し遂げた未来さん、笑顔の可愛い明るく活発な高校生です。女子の競歩とは珍しいなと思いながら城山グラウンドを訪れました。グラウンドでは七高と東雲の陸上部が練習中です。
中西監督に挨拶を済ませ、未来さんを探しました。あの子が西さんですと教えてもらうと、笑顔でこちらに駆け寄ってきて挨拶をしてくれました。ん? えっ!どっち? 同じ顔の女子が二人ニコニコしています。なんと未来さんは双子の姉で、妹の希望(のぞみ)さんも同じく競歩の選手だったのです。そして先の新人大会では準優勝をしているのです! 双子で1位、2位とは、お見事です!
中距離からの転向
それでは、という事で二人にインタビューすることにしました。二人は以前このコーナーで紹介した中距離の増田海輝くん(現在は尾山台高校陸上部)と同級生で中能登中学陸上部の出身です。
二人は中学時代1500mの選手でしたが記録が伸びず県体出場が難しいので、中2の時先生は七鹿からの出場枠で空きがあった競歩を薦めました。未来さんは、中距離より、そっちが楽かも♪と安易に考えて転向を決めました。それが功を奏して県体で8位入賞、これで未来さんの気持ちにスイッチが入りました。
中3の県体では優勝、妹の希望さんも準優勝します。学校も部活も競技種目も同じ道を歩んでいる二人ですが、未来さんは球技の部活体験もしましたが、どうもしっくりこなく、やっぱり陸上かなぁという感じで入部したんですと笑います。
未来に希望の二人です
一心同体
中能登中の2年先輩に遊学館で活躍した吉田優海(ゆう)さんがいます。東京オリンピック出場を目指すほどの実力者で二人にとっては憧れの先輩です。吉田選手の記録は5000m22分台ですが、未来さんは26分10秒、希望さんは26分13秒です。中西監督は今年24分台、3年生で23分を切ること目指さないと全国では通用しないと言います。覚悟して相当の練習をしなければなりません。歩くのだから走るより楽かもと思った競歩、何が辛いかとの質問に、未来さんは学校から自転車で城山グラウンドへ向かう時が一番辛いと答えます。辛い練習が待っている場所へ行かなければならないという心理的な辛さです。いち早くグラウンドへ来て誰よりも早く練習を始めても終わるのは一番遅くなる競歩。
12000mを歩き込む練習は途中で止めたくなることもしばしばです。それを我慢して乗り越えられるのは、なんと姉妹の間にあるライバル心だと言うのです。お互いに負けられないという二人は互いの息づかいが聞こえる近さを並んで歩き、一人が疲れれば一人が引っ張りペースを崩しません。双子ゆえの距離感が励みとなり互いに高め合っているのです。小さい頃から何かにつけてお互いを気にしてきた二人。苦楽を共有できるライバルの存在こそが、今の二人の強みとなっているようです。 二人でインターハイ出場を! 頑張って!
競歩三人娘