こみみかわら版バックナンバー

第35回 「輝け郷土の星」 柔道の林 諒太朗くん (鳥屋小5年)


全国小学生学年別柔道大会石川県大会で優勝

全国大会への切符を手にしこの夏の練習は特に力が入っています。諒太朗くんは3年生と4年生の時にも県体会で優勝をしていますが全国大会は5年生から開催されます。石川県大会3連覇を成し遂げ全国大会は当然のごとく出場を決めたのだと思いきや、大会では逆転につぐ逆転とやっとの思いで優勝できたのでした。連覇していたのでライバルから研究されていたのです。準決勝、決勝と先に指導を取られる試合展開です。準決勝でなんとか小外刈りで、決勝では残り十数秒を残し逆転の大内刈りで辛くも勝利しました。

北野監督は普段は感情を表さない諒太朗くんがこの時ばかりはホッとした顔をしていたので、かなりのプレッシャーを抱えて戦ったのだろうと話します。諒太朗くんは「焦ったけど全国大会へ行くために絶対に勝たなければと気を入れなおして戦った」と言います。



中能登柔道教室のモットー

柔道一家

柔道を始めたのは保育園の時です。柔道三段で中能登柔道教室の指導者でもあるお父さんが双子の姉の一人、弘華さんに柔道を習わせようと教室へ見学に行った時です。一緒に連れて行った諒太朗くんの方が「楽しそうー、柔道やりたーい!」とお姉さんより先に入門しました。あれから6年、身長146cm、体重62kgの体格は5年生では重量級です。

現在中学1年生の双子の弘華さんと莉帆さんも中能登柔道教室で稽古に励み、弘華さんは小5の時に全国大会へ、莉帆さんも今年全国大会へ出場します。二人の姉にはまだまだ歯が立たない諒太朗君にとって姉は優しくも怖い存在なのです。そして自分が中学生になったらいつかは姉に勝ちたいとこっそり話してくれました。

悔し涙

全国大会では小5といえども重量級は大きな選手が出場してきます。けっして大きい方ではない諒太朗くんにどう戦うのか意気込みを聞くと、「相手が大きくて相四つだったら、つり手を落とし自分の組手になって足から崩し、チャンスを待って大外から払い腰で決めたい」と明確に話してくれとても頼もしく感じました。

オリンピックで金メダル!と大きな夢を持つ諒太朗くんですが気が優しく涙もろい一面もあります。石川県大会では団体戦も優勝していますがその準決勝で不甲斐ない試合をした諒太朗くんに監督が喝を入れました。実力があるだけに期待も大きいのです。諒太朗くんも自分の不甲斐なさに悔し涙を流し決勝戦の直前まで泣き続けました。その涙を拭いながら決勝戦に臨み見事に団体優勝に貢献したのですが、悔し涙を流してから闘争心に火がつく大らかな個性があるようです。

個々の力を最大限発揮するためにもみんなの力が一体となることが大切だと、子ども・保護者・指導者の三位一体の運営と指導が行われる中能登柔道教室。今年5月には今まで築いてきたネットワークで東海、関西各県代表チームの総勢400名以上が中能登町に集い合同練習を行いました。そんな恵まれた環境に身を置く諒太朗くんの成長が楽しみです。



全国大会出場選手の壮行式