こみみかわら版バックナンバー

第39回 「輝け!郷土の星」放送(朗読部門)の畑中 愛さん(七尾高校1年)


11月石川県高校放送コンテスト新人大会朗読の部で優秀賞

66名がエントリーした大会で、金沢泉丘高校、北陸学院高校の生徒と共に優秀賞に選ばれた愛(めぐみ)さん。アナウンス部門では常連の七尾高校放送局ですが、朗読部門での優秀賞受賞は久しぶりです。

学校では全校集会や体育祭などの行事で司会やアナウンスなど行いながら、来年2月の北信越大会、7月のNHK杯、8月の全国総文に向けて練習に励んでいます。

七尾高校放送局

「放送部ではなく放送局なんですよ」と愛さん。全校集会で司会をする先輩の品位に惹かれ放送局に導かれました。入部すると過去の題材でアナウンスと朗読をそれぞれ行い先輩が適正を助言します。アナウンスは自分で取材したエッセンスを原稿にして1分半以内で伝える力が求められます。大変ですが自分の得意なことや個性を表現できます。 朗読は決められた5冊から1冊を選び、どこを読むか決めます。 朗読時間は1分半から2分間、字数で600字から800字くらいです。 愛さんは先輩の助言で朗読部門を選びました。

練習はまず腹式呼吸の会得です。アナウンスも朗読も第一に良い声、通る声でなければなりません。 早口言葉で滑舌のトレーニングをし、NHK日本語発音アクセント辞典で正確なアクセントを覚えます。やさしい言葉、悲しい言葉、それぞれに声色を変え、セリフの文章は感情移入し、セリフでない地の文は感情を入れ過ぎず、さりとて棒読みになってもいけません。 大会では様々な評価項目で点数がつけられます。大会前日は学校のホールで他の部員に聞いてもらい課題を確認し本番に臨みました。



3名が受賞しました。(田渕さん・吉野さん・畑中さん)

将来の夢

自分が? まさか! ビックリしたと言う愛さんです。1年生で受賞とは天性の才能があったに違いないと、顧問の屋敷先生に伺うと 「入部した時はまったくの普通の生徒でしたよ」 とのこと。

5作品の注釈を読み内容を理解した上で、自分の声に合いそうだと感じた宮下奈都さんの「羊と鋼の森」を選びました。何度も読み返すと、自然と口ずさむ感じで筋書きが覚えられたと言います。その中から更に自分に合った部分を抽出して大会に挑みました。「初めての大会なので全力を尽くそうと練習を重ねてきましたが、本番では緊張したことしか覚えていないのです」 と愛さん。「前日の練習では上手くいかない箇所がいくつかあったのに、当日は全部クリアしていたので驚いた」 と屋敷先生。

小学生の時、図書館司書の先生から児童文学作家、岡田淳さんの「小学校のふしぎな話」をテーマにしたファンタジーを薦められ大の読書好きになった愛さんですが、岡田淳さんの本との出合いが夢の出発点になったと言います。 それ以来、 図書館司書になることを夢見て沢山の本を読んできた愛さんだからこそ、 初めて臨んだ大会で体は緊張状態でも、心は落ち着いていたようです。 読書に宿る力と、 愛さんの努力が結び、引き寄せた優秀賞だと思います!



声の妖精 七尾高校放送局員