こみみかわら版バックナンバー

第41回 「輝く!郷土の星」タッチラグビーの辻孝夫さん


目覚めたヒーロー

タッチラグビー日本代表に

なんと!46歳で現役の日本代表選手として頑張っている男が、ここ七尾にいることをご存知だろうか。辻孝夫さん、今年4月マレーシアで開催される、タッチラグビーワールドカップ40歳以上の部で日本代表に選ばれた。タッチラグビーとは「走る、パス、かわす、トライ」とラグビーと変わらないが、ひとつ大きく違うのがタックルがなく、タッチすることで攻守が入れ替わる6人制のスポーツだ。

実は辻さん、日本を代表する選手で、すでに4度目のW杯出場となる。2011年のスコットランド大会では35歳以上の部でMVPを獲得しているヒーローなのだ。そんな辻さんにワールドカップの意気込みを聞くと、「最初まったく歯が立たなかった強豪国のオーストラリアやニュージーランドとも近年は接戦となる試合が出来ているので、しびれる試合をしてベスト4入りを目指す」と力強く話してくれた。

ハンデを長所に

新保町に生まれた辻さんは、なぜか子どもの頃からボール遊びが大好きだったと言う。御祓中学では迷わず野球部へ。しかし体が小さく非力な辻さんはどれだけ努力してもレギュラーになれなかった。それでも高校ではサッカー部に入り、今度こそはと頑張るが現実は厳しかった。身長150cmの自分はスポーツに向いていないのか…。挫折した辻さんだったが、大学進学後「負けたままではいられない!」と今度はラグビー部に入部。体は小さくとも耐えられるようトレーニングで体を鍛えに鍛えぬいた。そしてスピード、俊敏さを武器に大活躍したのだった。
大相撲では郷土力士の炎鵬が小兵ながら大きな力士を相手に土俵で活躍しているが、まさしく辻さんはラグビーコートの隅から隅を走りまわっての活躍だった。


故郷に恩返し

大学卒業後、地元に帰り「フィットネスガレージななお」でスポーツインストラクターとして勤務。この時タックルのないタッチラグビーを知り、自分の体格が長所として活かされると直感。勤務の合間に一人自主トレを開始、関東で開かれる練習会に通いながら、ついに日本代表選手になった。

最初は自分のために始めたタッチラグビーだったが、今まで職場の仲間を始め様々な形で応援して頂いた地元七尾の皆さんに恩返しがしたい、と2年半前から子供向けのスクールを立ち上げた。タッチラグビーとの出会いが、スポーツ落ちこぼれだった自分に自信をつけてくれ人生を豊かにしてくれたと語る辻さん。そんな自分自身の体験をタッチラグビーを通じて、小さくても非力でも頑張って努力すれば誰にでもチャンスが巡ってくること、何事も最後まで諦めない精神力を養うことの大切さを伝え、七尾でタッチラグビーが普及することを目指している。

今回のワールドカップで頑張って、スクールの子供たちを感動させたいと今まで以上に気合いを入れてトレーニングを積み調整してきた辻さん。4月どんな結果報告を聞くことが出来るのか、七尾から世界を相手に戦う、小さくて大きな男がいることを誇りに思い、みんなで応援したい! 頑張って、辻さ~ん!!