第45回 「輝け!郷土の星」郷土研究部の梅野 乃愛さん(七尾高校3年)
石川県高等学校文化連盟郷土部で優秀賞
「郷土部」聞きなれない言葉ですが、高文連に部会として昭和35年に正式に発足した文化系の部活動です。高校生が郷土の歴史や文化、地域企業とのつながりなどから、自らテーマを設定し研究活動を行ないます。
昨年秋の研究報告会「能登の和菓子」をテーマに研究成果を発表、見事優秀賞に輝いた七尾高校郷土研究部。
7月に佐賀県で開催される全国高等学校総合文化祭に石川県代表で出場します。今回は部長の梅野乃愛さんにお話を伺いました。
陰の部活
乃愛さんが入学した時、部活紹介で当時部長だった後山愛先輩が、ここは学校中から「陰の部活」と揶揄されていて、目立たない存在感の無い部だと説明を受けました。
しかしそのプレゼンがとても上手だったことに惹かれて逆に面白そうと入部しました。先輩の研究は真剣で斬新でした。
新年度に研究テーマを決め、その中に潜む問題を探し出して、高校生なりの提言をすることを目的に活動します。
そのためにテーマについての知識が必要になりますが、先輩はインターネットの百科事典、ウィキぺディアのコピーは絶対ダメ、自分達で文献を探してこいと指導します。
文献を探すため関係者へ電話し聞取りから始まりますが、この時、郷土について知ることの難しさを実感したと振り返る乃愛さんです。
スティーブジョブズになれ!
能登の和菓子
これまでの2年間「おもてなし」に関する研究を行い、能登の旅館でのおもてなしの一つに「お着きのお菓子」があることや、校内アンケートでもおもてなしから連想するものに和菓子という回答があること、そして部員で杉森菓子舗の息子、開くんが何にもわかっていなかったことで(笑)、「能登の和菓子」を研究テーマに決めたと言います。
和菓子は金沢が有名なので加賀から能登に入ったと思いましたが、歴史が古いのはなんと能登だったことに驚きました。諸説はありますが鎌倉時代に能登の地頭、長谷部信連(のぶつら)が源頼朝に大豆飴を贈ったとあり、金沢は前田利家が入府した時に片町で餅菓子店が出来たのが始まりのようです。また洋菓子が普及し和菓子離れが進み能登では和菓子屋さんが減少していることも分かりました。そこで「能登に和菓子屋を残していくための選択」を提言しようと、機械化が進む「みそまんじゅう本舗竹内」と職人の手作業が多い「杉森菓子舗」にインタビューを行ないました。
それぞれに良さがあり判断することは難しかったですが、和菓子の歴史を調べる事で故郷の魅力に気づくことができました。
今後は能登の和菓子の魅力を多くの人に知ってもらうため、歴史やマナーなどを書いた小さなカードを作って和菓子屋さんに置いてもらう予定です。
七尾高校郷土研究部は顧問中山先生の「スティーブジョブズになれ!」を合言葉に、研究成果を総べて頭に叩き込んで資料を一切見ないで発表する姿は審査員からも高く評価されています。
一見地味、でも、もう陰の部活とは言わせない! 目が輝く、乃愛さんです。
研究発表した6人