こみみかわら版バックナンバー

第49回 「輝け!郷土の星」三段跳の 花島 育斗さん (七尾高校3年)


県体優勝・沖縄インターハイ出場

ホップ!ステップ!ジャン~プ!
小学校、中学校、高校と跳び続け、インターハイ予選の北信越大会で14m18の自己ベストで6位入賞を果たし目標にしてきたインターハイ出場を決めた育斗くんです。

小4で陸上を始め6年生のときには80mハードル石川県代表で全国大会へ出場したことが陸上を続けるキッカケになりました。志賀中学時代はハードルで県体入賞できず幅跳で4位入賞。心がモヤモヤします。もう少し上を目指したいと迷わず陸上の環境が整っている七尾高校に進学しました。

三段跳

高1の県総体12m80でデビューし、秋の新人戦では13m52で優勝、続く北信越大会で4位となり順調な滑り出しでした。しかしこの時期に疲労骨折します。

三段跳は助走でかなりのスピードで走りその勢いでホップ、ステップとジャンプします。体にかかる衝撃は想像以上です。そのため普段の練習も走りが中心で跳ぶのは週に1回か2回です。陸上は冬季にどれだけ練習したかで春の記録が決まりますが、育斗くんは治療のため冬場の練習が出来ませんでした。2年生の総体では13m01と8位です。骨は治っているのですが実力が戻りません。不安ともどかしさの中で県新人戦3位となり、北信越では13m32を跳び回復を実感。この冬を練習さえできれば来年は絶対にいけるという手応えを感じます。

冬場の練習は怪我をしないように補強をメインのメニューを組みました。育斗くんは自分で練習メニューを考え練習も一人で行ないます。それは大学でも三段跳を続けていくつもりなので自分で理論を勉強し自分で試し三段跳を探求するためです。そんな志を監督の中西先生も認めて育斗くんの自主的練習を見守っています。



怪我を乗り越え

自己ベストでインターハイ

3年生となったこの春、石川県総体では三段跳13m90の自己ベストで優勝、走幅跳も6m66と僅差で2位でした。北信越大会では三段跳に賭けますが出場者ランキングは10位、インターハイ出場は6位入賞までです。

大会は雰囲気も違い気持ちが上がり楽しいと言う育斗くん、少しは緊張したものの北信越大会に照準を合わせてやってきて体調も良いので記録がでるという確信があったと言います。会場の長野県松本市の陸上競技場は風速7mの突風が吹いたりやんだりの悪コンデションです。風速5m以上の強風が吹くと追い風でも向かい風のように感じてしまうという三段跳。走りから踏込みの感覚が狂いバランスが崩れます。みんな同じ状況の中で戦うのですが普段の実力が出せない選手も出てきます。

スピード、跳躍力、精神力、その総合力で1cmが勝負の分かれ目になります。前日には女子400mハードルで七高陸上部の吉本陽菜さんがインターハイ出場を決めています。育斗くんはどんなことがあっても絶対にインターハイへ行くのだと強い意思で挑みました。予選1本目で14m02と自己ベストが出ます。続く2本目が14m18と更に自己ベストを更新。この記録が6位入賞となり念願のインターハイ出場が決まりました。

育斗くんの次なる目標は体育教師になって陸上競技の指導者になることです。
人生の明確な目標が、三段跳によって導かれているかのようです。



目標に向かって!