こみみかわら版バックナンバー

第52回 「輝け!郷土の星」駅伝の 垣田 愛さん (七尾中学3年)


第27回全国中学校駅伝女子準優勝

前回3位の七尾中女子駅伝チーム、次は優勝をと期待された中で1年間練習に励んできた。結果は42分8秒、25秒差での準優勝だった。

滋賀県希望が丘文化公園には各県代表校ののぼり旗が並び太鼓が響き声援がこだまする。エースが横一線に並びスタートする注目の1区はキャプテンの垣田愛さん、先頭集団を走り4位でたすきを渡す。
2区は妹の垣田奏さんが頑張り2位に浮上。
3区は新野莉璃さんが粘り3位でつなぐ。
4区は津田千空さん区間賞で3位をキープ。
アンカー示野悠奈さんデッドヒートを制し順位を上げゴール。
全員が区間10位以内で走り底力を発揮した。しかしメンバーに笑顔が無く涙した。

日本一しか見ていなかったので2位の瞬間は悔しかったですが、地元に帰ると多くの人が笑顔で迎えてくれ、沢山の「おめでとう!」を言ってもらい改めて全国2位の凄さを実感できました。今は嬉しさも感じています。と愛さん。

ワンテームに

春夏のトラックシーズンは各自の種目で大会に臨み、10月から駅伝チームとして練習が始まる。前年のメンバーが3人残っていたが、挑戦者という気持ちでスタートしたのだがチームはバラバラだった。

山口監督はチームの一体感を求めた。この状態で駅伝まで引きずることは出来ない。愛さんは合宿で全員に紙を配り、お互いに気にかかることを書いてもらった。それを集め張り詰めた空気の中で読んだ。「自分が走れないからと泣くのはやめて」「調子が悪いからと暗くなるのはよくないよね」「練習始まる前から今日の練習キツクないなどネガティブな発言はやめよう」愛さんにはキャプテンとして「もっと厳しく注意して」など意見が出された。

愛さんはその後何度もミーティングを行ないチーム作りに頑張った。シーズンに入るとチームは夏とはまったく違うムードになり、県大会、北信越大会と優勝、全国2位となった。そしてキャプテンとなってメンタルも成長した愛さんです。



先頭集団を走る

田鶴浜スポーツクラブ

七尾中陸上部の中長距離選手は田鶴浜スポーツクラブの山口監督から指導を受け練習をしています。

山口監督は全国大会優勝をと言うが大変な事だと思う。プレッシャーの中で1年間モチベーションを維持して厳しい練習を頑張ってきたことは偉いと思うとメンバーを称えます。

また愛さんは口に出さずに一人コツコツと練習コースの芝を刈り、穴があいていたら埋め、グランドをならしている監督の後姿を見て感謝しかないと言います。
そして保護者をはじめ地域全体でチームを支え応援をする田鶴浜の地域力があってこそ駅伝の名門チームが育ってきたのです。

そんな温かな環境の中で育った愛さんですが、今春は高校進学です。学業も優秀で金沢の強豪高からスカウトもされました。しかし愛さんは地元の皆さんがこんなに応援して喜んでくれる、そんな地元をもっともっと盛り上げていけたらとの思いで、考えに考えた末に卒業する3年生メンバー3人と共に鵬学園に受験することに決めました。

次の目標は地元高校から冬の都大路を走ることを狙いますと愛さん。中学生とは思えないほど、とても、とても頼もしく感じました。



かわいくて、速い!