第53回 「輝け!郷土の星」相撲の 久木 愛心さん (中島小6年)
第22回全日本小学生女子相撲大会準優勝
女も相撲取れらんけ? 相撲大会で女の子が相撲を取っているのを見た愛心さん、女子選手が優勝トロフィーを手にするのを見て私もあんなトロフィーが欲しいとお母さんに告げました。
愛心さんは男二人、女二人の四人兄弟の末っ子です。お父さんの義雄さんはかつて石川県代表の国体選手で旧中島相撲教室の監督をし、現在も能登島相撲教室でコーチをしています。すぐ上の兄も相撲をしていたので小学校2年生から相撲を始めた愛心さん。
昨年の第41回石川県少年相撲選手権大会女子5・6年の部で優勝し、全国大会で準優勝を果たしました。
七尾能登島相撲クラブ
月水金と能登香島中学の相撲場で行う稽古は男女混合で同じ内容です。四股を踏み、すり足を行い、ぶつかり稽古では男子にぶつかっていきます。
辛いと思ったことなかった?と質問すると、愛心さんは、「めっちゃ、あった!」と大きな声で答えてくれました。低学年の時は、指導されると怒られたと思いよく泣いたそうです。お父さんにやめたいと言うと、やめたければやめればと言われましたが、他の女の子が頑張っているので自分だけやめることはできないと続けてきました。
一生懸命に稽古に励んできた愛心さん、今では154センチ、57キロと体も大きくなり実力もついてきました。大きな大会で男の子に勝った時は会場の歓声も凄くとても嬉しい気持ちになりました。
七尾能登島相撲クラブは現在小中学生16名が稽古に励んでいます。その内4名が女の子です。新崎総監督は相撲を通じて強い体を作り、社会に出て通じる礼儀礼節を覚え、学校でもハキハキ大きな声で返事が出来ることを念頭に指導を行っています。
貫禄が出てきました
相撲を取る娘
今春から中学生になる愛心さんですが、女の子の相撲は稽古が辛いだけではありません。高学年になり心身ともに成長しくると、男女混合の相撲はお父さんに言えない悩みも出て来ます。そんな時はお母さんが相談に乗ってくれます。また中学校で相撲を続けられるか悩みました。部活動のスポーツと二股かけて耐えられるのか。どちらも中途半端になって悲しい思いをするのではないか。今、愛心さんは自分の心に正直に進もうとスポーツは相撲一本に決め、中学では文芸部に入る予定です。
相撲の稽古で体力が付き走るのも速くなった愛心さんは七尾市の水泳や陸上の大会にも学校代表として出場します。お母さんは擦り傷は当り前の稽古から帰ってくる愛心さんに、お風呂を沸かし食欲がない時はあっさりメニューで、寒い時は温かい食事を準備します。
お父さんからもっとアドバイスをもらいたいと思う愛心さんですが、お父さんは勝負にこだわった物言いではなく、楽しんでやってくれた方が良いと期待をしながらも温かく見守ります。
最後に愛心さんが、「支えてくれてありがとう!」と言いました。思わぬ言葉に押し出されたお父さんとお母さんは、とても嬉しそうでした。
群上大会 石川県代表
前列3人がクラブ所属