第57回 「輝け!郷土の星」100mハードルの 星場 麗羽さん (鵬学園2年)
第62回(令和2年9月)石川県高等学校新人陸上で優勝
100mH(ハードル)14秒07、大会タイ記録で優勝した麗羽(うるは)さん。400mHも制し2冠に輝いた。小4で陸上を始め6年生の時80mHで石川県2位になった。中3で全日本中学陸上選手権に出場。陸上を続けるために鵬学園に進学した。
陸上を始める動機は明確だった。両親が陸上選手だった。二人の姉も遊学館高校で駅伝部と陸上部に所属。航空石川で2018年春の甲子園選抜メンバーの兄も小学生の時にハードルで全国大会に出場しているスポーツ一家なのだ。
そんな家族の影響を受けてきた麗羽さんだが高校進学時に陸上を続けるか迷った。それは中三の北信越大会、全国大会で記録が伸びず限界を感じ迷いが生じたからだ。しかし、やっぱりあきらめたくないと鵬学園に決めた。
昨年の北信越新人大会で6位入賞。そして今回の記録は全国ランキング10位と実力をつけてきた。
鵬学園陸上部
今年の鵬は凄い。先の県新人大会での優勝は、男子400mの三柳と砲丸投げの青木、女子は100mの蔵谷、400mの宮川、3000mの示野、そして100mHと400mHの星場、400mリレーも優勝し、トラック優勝、総合でも星稜に次いで2位と大健闘だ。
優勝は逃したものの3種目で2位、2種目で3位、その他入賞者は12名。いつの間にか強豪校になっていた。 秘訣を島元コーチに尋ねると、どこの強豪校でも共通する特徴は後輩が先輩を真似る事だと言う。そんな縦の流れがちょっと出てきたことと、部活動だけでなく、私生活を含め学校生活をしっかりすることが大切だと言う。
先の全日本陸上選手権走高跳で4位入賞を果たした3年生の亀田実咲さんにも聞くと、どの種目も志を持った実力ある部員が揃ってきたので練習でも本番並みの競争心で切磋琢磨していると言い、麗羽さんも、男女関係なく仲が良いので気づいたことはお互いに注意したりアドバイスしたりすることが出来ていると言う。
個人競技の陸上だが、礼儀礼節を重んじ、やる気、本気度の高い素直な部員が揃うとチーム競技のような一体感が現れるのだ。
コロナ禍の中で
コロナの影響で部活動が活動禁止になった。自主練習するにしても競技場も使用禁止になった。この時期にどんな練習が出来るのか。100mHは滞空時間短縮の技術を磨くこと、400mHは後半の体力維持が課題だった。同じハードルでも走る感覚が全然違う。
練習できない不安を打ち消そうと自宅でも自主練習を続けた。父がパイプを使って作った練習用のハードルを家の前に並べ反復練習で動きを確認した。母はバランスの良い食事を考えてくれジョキングにも付き添ってくれた。
中学時代は同じ練習メニューの繰り返しだったが、今は島元コーチの指導で個別メニューであっても、毎日着眼点を変えて質の高い練習を意識するようになった。記録を出すための節制と練習は辛いが我慢も大事だと心得る。
両親、先生、陸上部の仲間、恵まれた環境に感謝し、来年のインターハイで上位入賞を目指す。