こみみかわら版バックナンバー

第59回 「輝け!郷土の星」陸上の 野崎 健太朗くん (七尾中学3年)


1500mジュニアオリンピック出場・石川県中学校駅伝優勝!

第81回石川県陸上選手権1500m、4分6秒46の記録を出しジュニアオリンピックに出場した健太朗くん。約7万人を収容する国内最大級の日産スタジアムに全国から集った42名と競った。予選を4分5秒93で通過。決勝戦、163㎝、49㎏の体格は16名の中では小柄だ。

スタート! 一斉に飛び出す。さすがにレベルが高く1000m付近で最下位に落ちる。負けられない! 渾身の力で5人を抜いた。自己ベストの4分4秒15で11位だった。

小さい時から走ることが大好きで、小3の時に七尾市陸上大会100mで石崎小の同級生に負けたことが悔しくて城山アスリートクラブへ通い始める。小6で走り幅跳び県2位、1000mも県新記録で優勝。七尾中学校に入学すると迷わず陸上部へ入部。走り幅跳びをしたかったが、山口監督と出会いで長距離が面白くなった。中1で4分14秒、中2で4分9秒と順調に記録を伸ばしたが、腰を疲労骨折するアクシデントに見舞われる。勝つことだけを意識し、タイムにこだわり、限界まで追い込んで練習をしていたのだった。

そんな時、都道府県駅伝の石川県代表に選ばれ2区3kmを任された。石川チームの合宿で旭化成の山本修二選手に練習を続けていくために何が大切か質問したところ、「深く考えないで中学生の時はもっと楽しんだらいいよ」とアドバイスを受けた。

中3、コロナ禍で大会の中止が相次ぎ、初のレースが石川県選手権。 走れる喜びを噛みしめ、とにかく楽しもうと走ったら結果が付いてきた。

石川県中学校駅伝大会

令和2年度の駅伝大会、優勝は男女共に七尾中学、準優勝は中能登中学だった。

レースは1区白井新大が46校中5位でタスキを渡す、豊島楓也が区間記録2位のタイムで順位を2位に上げる。3区新野琉壱も区間2位、4区川上宇宙は区間3位で野崎健太朗へ。 この時トップとの差は1分19秒。健太朗、区間1位で走り35秒差まで詰めるも順位は2位のままだ。

前回大会優勝の中能登中学もさすがに強く1区酒井崇史が3位、2区井上朋哉、3区伊駒快介、4区岡本碧斗がそれぞれ区間1位で走り独走している。5区吉田光希も区間2位でトップをキープ。勝負は最終6区だ。七尾は津田万里、中能登は島田凌。ゴールまでもつれたが津田が区間1位の走りを見せ1秒差で接戦を制した。前回大会は3秒差で中能登中学に負けている。今度は負けられない!と練習に励んだ七尾中学だった。

駅伝は団体競技なので心が一つにならないと記録がでない。 気持ちを合わせるため練習内容や、気になった事、良くない所を毎週全員で話し合った。駅伝にミーティングを入れたらとアドバイスをしたのは田鶴浜中学から長野県の佐久長聖高校に進み全国高校駅伝でアンカーを走り優勝し、現在も城西大学駅伝部で活躍する、山本嵐選手だ。

山口監督に大きな大会に連れていかれ、色々な人たちと話す機会が増えた。OBに支えられ、家族中に応援してもらい、一人ではここまで来れないと改めて気づき感謝する。将来は山本嵐先輩のように都大路で優勝し、大学では箱根も走りたいと思う。

しかし、それも通過点であり社会人になったらオリンピックが目標だと言い切る健太朗くん。気迫が漲る! やるからには負けられない!