こみみかわら版バックナンバー

第62回 「輝け!郷土の星」なぎなたの 袋井 莉子さん (鵬学園3年)


石川県高校総体「なぎなた」で個人優勝!インターハイ出場!

新しい事にチャレンジしたい!
部活紹介で見た先輩の袴姿がかっこよく、入部を決意した莉子さん。
最初は「本当に出来るかなぁー」と不安もあったが、やってみると意外と楽しく、
早く先輩のように活躍したいと稽古に励みました。

1年生春の総体、秋の新人戦は共に1回戦敗退。
2年生ではコロナ禍で正式大会がなく代替試合で初めて勝利します。
しかし遠征ができず、試合もないので成長の手ごたえがつかめません。
そんな1年間、自他ともに認める負けず嫌いの莉子さんは、
「先輩のように強くなりたい」「絶対に負けたくない」と黙々と稽古を積んできました。

そして今年6月の石川県高校総体で見事に結果を出し、団体戦準優勝、
試合競技で優勝、演技競技で準優勝。三種目でインターハイ出場を決めました。

堅忍不抜

日本古来の武道である薙刀ですが、平成9年から「なぎなた」として高校総体の正式種目になりました。
試合競技では2m20㎝のなぎなたを構え、間合いを取り、切っ先を合わせ一瞬にして、面、小手、胴、臑(すね)を打ち合います。

演技競技は2人1組で技である「しかけ、応じ」の型を披露し2人の息の合い方、正確性を競います。
今年の鵬学園は層が厚く、莉子さんと共に試合競技で島悠華さんが準優勝、豆田愛奈さんが3位と上位を独占しました。
演技競技でも佐伯知咲・袋井莉子組が準優勝、山本留衣・川尻チハル組が3位入賞です。

過去インターハイ個人準優勝者2名を出しているなぎなた部。
指導は顧問の田中千秋先生を始め、東部中なぎなた部で顧問をしていた山崎登志美先生の胸も借ります。
2人は平成3年石川国体で県代表選手として団体優勝しています。

また社会人になった先輩も稽古に顔を出してくれ環境に恵まれています。
毎日3時間程の稽古を通して、人としての道、礼儀礼節も躾けられます。
卒業生は身に付いた礼儀や気配りが社会の中で自然に出来ていることを実感するといい、田中先生は学校生活もキリッとしてきて、人生の財産を培っていると話します。

そして鵬のなぎなた部は頑張れば全国の舞台に立つことができるので、人の出来ない経験をさせてあげたい。
そのために部訓の「堅忍不抜」、苦しい時も心を強く持て!と指導します。


主将として

莉子さんは先頭に立って全国で勝ち上がる目標を掲げ、何事も率先垂範で行動します。
時に強く、厳しい物言いもしますが、「勝ち上がった喜びを分かち合いたい!」という
莉子さんの思いを、全員が受け止めているのでチームは団結しています。

莉子さんは絶対に負けたくないという気概で、足の親指の爪が剥がれても絆創膏を巻いて稽古を続けます。
そんな姿に田中先生も莉子さんのリーダシップを高く評価し、チームに欠かせない存在だと認めます。

この夏のインターハイでは、個人戦予選リーグを突破し、べスト16という結果を残しました。

莉子さんの将来の夢は保育士です。子供が好きなこともありますが、誰かの役に立ちたいと志を立てたのです。

なぎなたで鍛えた堅忍不抜の精神で更なる飛躍を期待します。