第66回 「輝け!郷土の星」ジュニアマイスターの高野航汰くん
ジュニアマイスター顕彰制度で日本新記録
ジュニアマイスターとは工業系の高校生が国家資格や技能検定試験にポイントを付けて、合格したポイントでランキングされる制度です。航汰くんは高校3年間で43種類の資格を取得。過去最高261点の新記録です。
また全国工業高等学校長協会の生徒表彰にも県内からただ一人選ばれました。
高1の時、危険物取扱者乙種1類から6類をすべて一発合格し、さらに甲種全種目も一発合格したことで、担任の岩城宏志先生がジュニアマイスター顕彰制度でランキングがあることを伝えました。
決意
ポジティブ思考の航汰くん、面白い!どうせやるなら日本一と決意します。資格をリストアップし願書締日を確認、受験のスケジュールを組み、自らテキストを購入し、自ら勉強し、自ら試験会場に向かいました。
陸上部でも活躍する航汰くん、部活動が終了する3年生後半には毎週受験。一週間で効率よく勉強をしなければなりません。そのために試験ごとの傾向を調べ、過去問をやるのか、全体的な知識を得るのか、まずは最初に勉強方針を決めました。この時期は勉強中に机で寝落ちしてしまう日々が続きベッドで寝たのは月に数回でした。
昨年12月には高校生では県内で初めて難関の国家資格、消防設備士甲種第5類に合格しました。
文武両道
後期生徒会長にも選出され、3年間皆勤賞の航汰くん。
県高校総体では400mハードルで4位入賞し北信越大会へ出場。部活と受験を両立させるため受験スケジュールを調整してきましたが、総体の一週間前に試験日が入った時は練習と勉強どちらを優先するか顧問の向田先生とぶつかりました。最後は先生やチームメイトの理解を得て支えてもらいました。
東雲高校陸上部の旗印は乾坤一擲(けんこんいってき)です。勝負に命運を掛け強い心で挑戦するポジティブ思考が、ジュニアマイスター日本一を目指すエネルギーになったと言います。
電子機械科の課題で取り組む小型カメラを取り付けた自動走行のマイコンカーにも熱が入り放課後も積極的に研究に取り組む航汰くん。毎年全国の工業系高校生の中から1名だけ選ばれる経済産業大臣賞にノミネートされています。
航汰くんには9歳と6歳年上の兄がいますが、兄二人も東雲高校陸上部で活躍していました。そんな兄を慕い小学生の時から陸上を始め、中能登中学から迷わず東雲高校に進みました。
今春、金沢工業大学電気電子工学科に進学する航汰くんの夢は、工業の教員になり母校東雲高校で教鞭をとることです。自分を三年間導いてくれた担任の岩城先生のように、生徒に工業の面白さを教え、母校からジュニアマイスターに挑戦する生徒を数多く育てたいと新たな志を立てました。
陸上とジュニアマイスターで大きく成長した航汰くんです。