こみみかわら版バックナンバー

第67回 「輝け!郷土の星」競歩の山本乃愛さん


北信越高校総体優勝・全国インターハイ9位

石川県大会25分25秒優勝・北信越大会25分36秒優勝・全国インターハイ予選25分1秒、決勝24分36秒自己新記録で9位。乃愛さんの熱い夏が終わった。インターハイ8位入賞は成らなかったが決勝で自己ベストを出せた。
これが今の自分の力です、と笑顔の乃愛さんには悔いが無い。

陸上選手だった父の影響で5歳の時から中能登町のクラブチーム鹿島ACに顔を出していた。中能登中学では中距離選手として活躍していたが入賞経験は無かった。

鵬学園陸上部が駅伝チームを立ち上げ長距離に力を入れることを知る。料理を作ることが好きだったことと、高校までは陸上を続けたいとの思いが重なり鵬学園の調理科へ進学を決めた。

競歩に転向

陸上部に入部するも長距離同期は全国中学駅伝で準優勝した七尾中学からのメンバーで自分は一番遅かった。それでも一緒に都大路を走りたいと練習に励んだが、高1の夏にシンスプリットで足が痛くなり走れなくなった。

秋の新人戦には競歩に転向して臨んだ。28分15秒で6位入賞。 競歩、絶対に続けていこうと初めての入賞はモチベーションになった。冬場の練習、足が引きつり痛くなるが、練習に比例して記録が伸びるので嬉しさを感じる。

ただ辛い事は専門コーチがいないことだ。今日の自分の動きがどうだったのか客観的に評価してもらえない。足の動き、腕の振り方、自分で自分の良かった所を見つけて自分を鼓舞する。そんな中で輪島高校との練習や石川陸協の強化練習会の参加でコーチから技術面のみならず練習でのモチベーションの維持や、試合日にベストコンデションの合わせ方などメンタル面も指導を受ける。コーチから「フォームが良くなったね」との一言で、自分が伸びているんだと感じることができ嬉しかった。

高2の県大会では26分49秒で3位入賞。上位2人が3年生だったので来年はインターハイを目指せる。気を抜かず今まで以上に頑張らなくてはと思った。鵬陸上部で外部コーチを務める父からも「来年はインターハイで入賞するぞ!」と励まされ、インターハイに目標を定めた。 26分台では通用しないので、技術と速いペースで歩き続けられる力をつけるため練習を強化した。



将来の夢

精一杯の努力もしてきたし、自分で満足できる結果を残せたと思う。陸上はここで一区切りつけたいと思っている。

料理やお菓子は子供の頃から食べる事も作ることも大好きだった。中3のある日、パッと閃いた夢がある。『自分の店を持ちたい!』それ以来思い続けている夢だ。鵬で調理と陸上を頑張ろうと心に誓い、朝練習がある日は自分で弁当を二つ作って通学した。

次の目標は調理師免許と製菓衛生師の資格を取得することだ。競歩で培った精神で夢の実現に向けて再度、自分を鼓舞し頑張りたいと語る。

信念があり直向きな乃愛さんが輝いて見える。高校卒業は自分の人生を拓いていくスタートラインでもある。自分が本当にやりたい事ならばどんなハードルも超えられる。恩と感謝を忘れず、活き活きと人生を歩んでほしい。

 目標を立て、挑戦して、道を拓く。 なんと尊いことだろうか。