こみみかわら版バックナンバー

第69回 「輝け!郷土の星」陸上ハードルの三柳遥暉くん


ジュニアオリンピック第16回陸上競技大会U18で3位

10月、愛知県で開催されたジュニアオリンピック300mハードルで見事3位に輝いた遥暉くん。第77回を迎えた栃木国体でも4位入賞を果たしました。

小さい頃から走ることが好きだった遥暉くんは小学校5年生から父の影響で輪島のジュニアクラブへ通い、小6で県体優勝し全国大会へも出場しました。それで益々陸上が好きになり穴水中学では迷わず陸上部へ。

中2の時、100mジュニアオリンピックU16の標準記録11秒80にあと0.01秒届かず出場できませんでした。この時ほど悔しかった事はありません。中2の冬、能登ジュニアで試しに出場した400mで53秒台と思わぬ好記録が出て「あれ?!」ということになり400mに転向。中3の県大会で優勝、北信越で3位。このことが大きな自信につながります。

高校は陸上をやるために鵬学園に進学しました。高1の新人大会では48秒44と大会新記録で優勝、続く北信越新人大会でも優勝し周囲からも注目を浴びます。

怪我に泣く

自信に満ち溢れる遥暉くん、冬季練習に励んでいましたが春先に左足首を疲労骨折します。冬場に積み上げてきたものがリセットされての2年生。走り方も分からなくなり、何をしてもうまくいきません。

1年生の時の48秒44は全国でもトップクラス。この流れで2年生は全国で頑張れると思っていた矢先の怪我。その間に全国のライバルは記録を上げていき焦りが募ります。いざ走ると思うようにいかず、どれだけ練習してもタイムが伸びません。「何してるんだろう…」大スランプに陥りこの時ほど苦しく感じたことはありません。

自分の力でどうにもならないもどかしさ、しかし、「いつかボンと伸びる時が来る」と信じてひたすら耐えました。その悔しさが遥暉くんを大きく成長に導きます。

走れることに感謝

小学生から走ることが当たり前だった遥暉くん、走れることの有難さを知り、走れることに感謝の念をいだきます。その頃からスランプも脱し始め2年生の国体予選で初めてハードルに挑戦します。1か月間の練習ではハードルとハードルの間を制御できず散々でしたが、地力のある遥暉くんです。その後の県新人大会では大会新記録で優勝。そして今年3年生の県総体では400m2位、400mハードルで優勝。北信越大会では400mハードルに絞り見事に優勝しインターハイ出場、続くジュニアオリンピック、国体と入賞を果たしました。



遥暉くんが陸上を始めるきっかけを作ってくれた父、誠さんも高校時代には200mで石川県高校新記録を出しています。そんな父だからこそ2年生までは記録に対して厳しい評価でしたが、この秋「よーやったなぁ」と初めて労いの声をかけくれました。父に「認めてもらえた」嬉しさを胸に、大学に進学し400mハードルでインカレ優勝を目標にします。

部活動が学校からクラブチームへと移行する近年ですが、将来は体育の教師となり生徒に運動の楽しみを教え、運動への興味を持ってもらい、将来的にも健康維持につなげる指導を試みたいと遥暉くん。
これからも陸上を通じ逞しく成長していく姿が楽しみです。