こみみかわら版バックナンバー

第71回 「輝け!郷土の星」私の主張の中田聡音さん


少年の主張 石川県大会で最優秀賞!

もうビックリしました、と微笑む聡音さん。第44回少年の主張石川県大会で最優秀賞に輝きました。
この大会は中学生が日常生活の中での体験や考えを発表します。加賀、石川中央、金沢、能登地区から選ばれた16名が発表しますが、この16名に選ばれるまでが大変です。

国語の授業で書いた作文をクラス内で発表し、生徒の投票で3名選ばれます。3年生5クラスの代表15名がランチルームに集合して発表。先生が審査し4名に絞られます。1年生から2名、2年生からも2名選ばれ、この8名で全校大会が行われます。そこで選ばれた2名が能登地区大会に出場します。

能登各地区から集まった12名がサンライフのホールにて競います。この大会での最優秀賞1名、優秀賞3名が石川県大会に出場することができます。

県大会では論旨・内容60点、表現力30点、態度10点に配点され審査されます。国語の授業の作文が気付けば「少年の主張石川県大会」の最優秀賞になったのですから聡音さんも家族も嬉しさよりもただただ驚きだったようです。

自分にしか書けないこと

家で読書をして感想を記録する「うちどくノート」が町から小学生に配布されます。それで両親が物語や科学の本などたくさん借りてきて読ませてくれました。そんな環境があったのかもしれませんが、聡音さんは物事を深く見つめる事が出来るようになりました。

だからこそ国語の授業で作文を書く時のテーマに迷います。環境問題や人権問題などは知識が無く、関心も薄いのでテーマにすることは難しく思いました。

それなら自分のことなら自分が一番わかっている。自分にしか書けない事を書こう。と強い思いが走りました。

これから出会うであろう人たちへ

小さい頃から心疾患がある聡音さんは運動制限があります。小学生の時、マラソン大会で見学していると同級生に「走らんでいいがうらやましいわ」と言われ、気持ちが萎縮していきました。ところがマラソン大会が終わってすぐに担任の先生が「一生懸命に応援をしてくれた聡音さんに拍手をしましょう」と言ってみんなが拍手をしてくれた時とても嬉しくなりました。

また、生まれてすぐに手術をして入退院を繰り返していたので「自分は長生きできないのか」と親に聞いたことがあります。母は「この先何があるかわからないが、お医者さんやみんなが守ってくれるから大丈夫だよ」と言ってくれ大変安心した気持ちになりました。

聡音さんは病気を通じて感じた事を文章にする時、これらの事を振り返り、改めて自分を大切にしてくれる人が居ることはすごく幸せな事だと思いました。

県大会には前年度も出場した同級生の森正璃音(りお)さんも出場しました。璃音さんは話し方が上手で聡音さんにアドバイスをしてくれました。気が付けば身の回りに助けてくれる人がたくさんいます。

「現状に満足できず今の自分が嫌、自分じゃダメと思う時があっても、誰にでも必ず助けてくれる人がいることに気づいて欲しい」と聡音さん。そう思うと感謝の念が湧いてきます。

将来は辛い思いをしている子供たちの支えになるため小児科医を目指します。頂いた多くの恩を、これから出会うであろう多くの人にも報いていきたいと決意する聡音さんです。