こみみかわら版バックナンバー

第72回「輝け!郷土の星」ウエイトリフティングの吉野樹くん

第38回全国高校ウエイトリフティング競技選抜大会で6位入賞

去る3月27日、金沢で行われた全国大会で73㎏級に出場した樹くん、スナッチ101㎏、クリーン&ジャーク118㎏、トータル219㎏で全国6位に入賞しました。

昨年の石川総体で優勝、北信越2位、インターハイ10位と県内ではトップレベルの選手として活躍し、今年の総体でも準優勝しました。

ウエイトリフティング部

樹くんは高校からウエイトリフティングを始めました。入部したときは同好会でしたが現在は部に昇格して男女の部員9名が毎日練習に励んでいます。

2019年に着任した監督の岡田英典先生はインターハイ5位、国体2位の実績を持ち石川県チームの監督も務めた指導者です。岡田先生はまず基礎を教えますがそこからは練習方法を本人自らが考えるよう指導します。それは選手一人一人の骨格、手足の長さ、手首の強さ弱さなどみな違うので自分に合った練習を見つけなければなりません。

スナッチはバーベルを頭上に一気に持ち上げ立ち上がります。クリーン&ジャークはいったん鎖骨の上まで引き上げて立ち、そこから頭上へ差し上げます。それぞれ3回の試技で持ち上げた最高重量の合計を競います。

選手は名前を呼ばれてから1分以内にバーベルを床から離さなければなりません。バーベルの重さは選手が申告し、軽い重量を申告した選手から試技に入ります。左右のバランスを保ち、腕を伸ばしきって試技が成功します。

筋力だけで重いバーベルは上がりません。全身にいきわたる集中力と気合、スピードが最高の状態で組み合わされた時に爆発力が生まれます。

ウエイトリフティングで本人が何を学び、何を成長させるかを考え、苦しくても諦めず、自分とバーベルに直向きに向き合うことを指導する岡田先生。

樹くんが2年生になって頭角を現わしたのは、素直さと自分で考え自分で行動したからにほかなりません。



確かな手応え

スナッチ50㎏が102㎏に、クリーン&ジャーク65㎏が123㎏と2年間で2倍の重さを上げられるようになりました。

きつい練習も嫌だと思ったことは無いと言う樹くん。記録が目に見えるので目標を立てやすい競技です。昨日より今日、今日より明日、1㎏でも重いバーベルを上げるためにコツコツと努力を積み重ねる毎日です。

そんな樹くんに心強い同志がいます。同期の引田葵(ひきたあおい)さんです。葵さんも先の全国大会で13位と健闘しました。二人は声を掛け合い互いにアドバイスをして練習してきました。部員が少ないので時に孤独になりがちですが、同期二人がお互いに高い目標を持ったことで励みになりました。

大会ごとに記録を伸ばす目標を持ち結果が出ると達成感を味わい、結果が出なければ克服するための練習を考えます。今年の目標はインターハイ3位以上の表彰台に立つことです。

そして選手として強く、指導が上手で、人間性も良い岡田先生を目標として大学でもウエイトリフティングを頑張りたいと言います。

大きな舞台で活躍することで自信を付けた樹くん。
重さだけでなく精神力も2倍に逞しくなりました。