こみみかわら版バックナンバー

第73回「輝け!郷土の星」競歩の豊島楓也くん


第61回北信越高校総体5000m競歩で優勝

3月に開催された全日本競歩輪島大会5キロ競歩(高校生の部)21分14秒で全国3位となり、5月の石川県総体22分22秒で優勝、続く6月の北信越大会でも22分11秒で優勝した楓也くん。夏のインターハイでも入賞を目指します。

昨年は北信越2位でインターハイへ出場しましたがレースの駆け引きに負け実力を発揮することなく予選通過できませんでした。

今年はその雪辱を果たすために練習にも気合が入ります。 

競歩との出会い

子供の頃から走ることが好きだった楓也くんは小6の時友達に誘われ城山アスリートクラブに入り益々走ることが好きになりました。

七尾中学では迷わず陸上部に入部して長距離を走ります。しかし七尾中学は駅伝が強く長距離の速い選手が何人もいたため、トラック種目であいているのは競歩しかありませんでした。しかたなく競歩をエントリーしたのでしたが、七尾中学の山口監督は競歩が上手くなると走りも上手くなる、競歩の記録が伸びれば走りの記録も伸びるという理論を持ち競歩を重要視しています。

そういう環境で始めた競歩ですが初めての大会を終えて「競歩は楽しい!」と思いました。それで2年生になっても競歩をエントリーしたいと監督に申し出ました。楓也くんの競歩への情熱もあり、世界陸上選手権50km競歩の元日本代表で現在金沢学院大学の谷内雄亮コーチ(当時は輪島市)に指導を受けました。

競歩は一定の歩き方で歩行しタイムを競う競技です。歩形のルールは厳しくどちらかの足が地面についていなければなりません。両足が地面から離れると「走った」と見なされロスオブコンタクトの警告を受け、度重なると失格になります。またベントニーといって前足が地面に付いた瞬間から地面と垂直の位置になるまで膝を伸ばした状態で歩かなければなりません。

谷内コーチから競歩の基本フォームや練習方法の指導を受けました。その結果、中学3年の県大会3000m競歩で15分04秒を記録し全国ランキング1位になりました。またその年の駅伝大会でも2区を走り石川県優勝を成し遂げました。  



鵬学園陸上長距離部

高校でも競歩を続けたいと思っていたところ、鵬学園で長距離部が発足する事を知り入学しました。
高1、高2の時は1年先輩の鵬学園の山本乃愛さん(インターハイ9位)、そして星稜高校の櫻井健太選手(インターハイ7位)の背中を目標として頑張ってきました。

今年は自分が石川県代表として全国で結果を出さなければと使命を感じています。鵬では山本伸幸コーチが指導します。フォーム、体力、スピードなど練習課題がありますが、大会での嬉しさや悔しさをモチベーションに、次はどうするか本人の考えを尊重して練習を見守ります。

山本コーチはスピードも体力もあるので全国で十分戦える力が備わってきていると評価し、後は歩形の維持をしっかりすることだとアドバイスします。競技場では5人の審判が選手の歩形を見張っています。全国大会では審判員の目も厳しいので注意が必要です。

今年こそ駆け引きにも負けないレース運びで結果を出すと誓う楓也くんです。