こみみかわら版バックナンバー

第74回「輝け!郷土の星」剣道の桜木佑圭さん


第53回全国中学校体育大会で3位

愛媛県武道館で開催された全国中学校剣道大会で見事に個人戦3位に輝いた佑圭さん。

石川県大会では小松桜木剣正会の尾蔵(おぞう)さんに小手を取られて2位でした。
負けた悔しさをバネに攻めの工夫、技の対応を考え稽古に励んで臨んだ北信越大会では延長戦となり競り合いましたが長野県松代中の小山さんに負けて5位でした。

剣道は一瞬の迷い、判断ミスで勝負が決まります。
全国大会に向けて今一度自分を見つめ直し、自分の強み活かすこと、無駄な動きはしないことを意識して稽古を積み調子を上げて全国大会に臨み結果を出しました。

剣道一家

おもちゃが竹刀でいつのまにか剣道が始まっていたという。
祖父は桜木哲史7段、世界選手権大会で優勝している剣士です。
6段の父は航空石川で指導しており、母も二人の弟も剣道をする剣道一家です。

佑圭さんは輪島市河合小学校1年生の時から防具をつけ練習を始めました。
その頃は剣道よりもピアノの方が好きでしたが、小4の冬から鹿島少年剣道教室に通い始め、翌年の全能登大会で優勝をしました。
それがきっかけで「よし!剣道一本でやろう」と心が決まりました。
剣道教室の仲間と練習を続けたいと中能登中学校へ入学しました。
部活が休みの水曜日は剣道教室へ出向き、日曜日は航空石川で父と二人の弟とで練習をします。
父は厳しく稽古をつけてくれますが辛く感じた事はありません。

試合で結果がでれば達成感があり稽古をやってよかったと思います。
稽古の先にある達成感を知っているから辛い稽古も辛くないのだと言います。



中能登中学剣道部

全国大会には3年生の横井快紀(かいき)くんも出場しベスト36と健闘しました。
快紀くんは県体2位、北信越3位の実力です。
全国大会前の稽古で佑圭さんは1年先輩の快紀くんと互角の勝負が出来るまでになっていました。

「面を被ったら変身して男になれ!面をとったら可愛い女の子になれ」と指導する顧問の本吉秀充先生は鹿島少年剣道教室でも佑圭さんを教えてきました。
小学校の時は心身ともに未熟だったが、それでも自分の意思で遠く輪島から鹿島へ通い、短い練習時間の中で素早く防具を身に付け、先生が面を付ければ一番に「お願いします!」と駆け寄り、帰りが遅くなるのでもう終わるように言うと「もう5分やります!」と稽古を続けたと言います。
本来の負けず嫌いの性格に、剣道を通して更に心が鍛えられた佑圭さん。この先、何事によらずどのような困難が立ちはだかろうと、逃げないで、挫けないで、乗り越えていく、そのための精神力が強くなったと話します。

将来は小さい頃から憧れていた看護師を目指したいと言う佑圭さんですが、まずは来年の全国大会で絶対に優勝するという強い決意で稽古に励みます。
本吉先生は結果も大事だが、勝つことだけにこだわらず、武道としての剣道、正しく美しい剣道を極め強くなることを求めます。

武道家の血が流れる佑圭さん、祖父のように華麗にして豪快な剣士を目指します。