第75回「輝け!郷土の星」体操の坂本大輔くん
石川県高校新人大会体操競技で個人総合優勝
春の県総体では2位となり北信越大会に出場。
そして北海道でのインターハイへも出場した大輔くん。
しかし今回の新人戦優勝がより嬉しい。
それは中学時代からのライバル、小松大谷高校2年生の細川進希(のぶき)くんに初めて勝てたからで、やはり1位と2位は全然違うのだ。
大輔くんは天神山小3年生から2歳上の姉の憂紀さんと一緒に七尾ジュニア体操クラブへ通った。
最初はマット運動から始まった。鹿島で行われる小さな大会に行った時、3歳年上の大野木拓くん(郷土の星第1回取材)の演技を見て自分も上手になりたいと思った。
それから練習に熱が入り4年生でバク転が出来るようになるとその達成感に喜びを覚えた。5年生で宙返り、6年生で大車輪が出来た。
東部中学で体操部に入部。鵬学園の練習場で高校生と合同練習、そしてクラブと毎日4時間の練習を続けてきた。しかし中学時代は毎年怪我に悩まされた。
鉄棒からマットを超えて着地したり、怪我が完治していないのに大会に出場したい思いで練習を続けて負荷がかかったりと、肘、膝、手首、足首を痛め万全のコンディションで大会に臨めず成績も2位が最高だった。
今年の目標を「ケガしない」と書初めし、初めて掴んだ優勝だった。
鵬学園体操部
第1回アテネオリンピックからの競技である男子体操は鉄棒、平行棒、あん馬、跳馬、つり輪、床の6種目。
女子は跳馬、段違い平行棒、平均台、床の4種目で競われる。
個人総合優勝ともなるとそのすべてに高得点を出さなければならない。
技の難度や美しさ、安定性などが採点される。一つ一つの技を磨き、それらを構成し演技する力量とメンタルを高めなければならない。
鵬学園体操部は30年以上の歴史の中でインターハイや国体へ出場する選手を多数輩出してきた。
その卒業生たちがコーチとして顧問の高橋加津也先生と共に指導に当たる。
部員は4名だが少数精鋭で上谷内悠斗くん、前田羽月さんもインターハイ出場を果たしている。
七尾ジュニア体操クラブ
鵬学園で指導をしてきた室屋武子先生が体操競技の裾野を広げるため立上げた七尾ジュニア体操クラブに34名が練習に通う。
週1回の幼児コースとジュニアコース、週2回の育成コース、週6回の選手コースがある。
コーチ陣は室屋先生の教え子で男性4名、女性2名が指導に当たる。
男子は澤味将太コーチ、女子は小此内勇希コーチがメインで指導する。
大輔くんを小学生から指導する澤味コーチは必要な事だけをアドバイスし、後は本人がひたすら練習を繰り返すのだという。
体操の動画を何度も見てイメージを作り、姉に演技を録画してもらいアドバイスを受ける。12月は来年に向け新しい技に挑戦する楽しい練習期間でもある。
高校生も全国となると高度な技が求められる。部分練習を積み重ね、出来るようになると技と技をつなぐ。
今、床の2回宙返り、跳馬のカサマツ跳び、鉄棒の2回宙返り下りにチャレンジする大輔くん。
出来なかったことが出来るようになる。それが体操の醍醐味である。