『輝け!郷土の星』 ソフトボール投げの道下 隼翔くん(石崎小6年)
見事!全国大会6位入賞
去る8月22日、横浜で行われた第31回全国小学生陸上競技交流大会で6位入賞に輝いた隼翔くん。学童野球の石崎メッツに所属しコーチから肩が強いと聞かされたお母さんが「陸上のソフトボール投げの種目に挑戦してみては」と声をかけた。何となく試しに出てみた七尾市の大会でいきなりの大会新記録(66.37m)だ。県大会に出場することになるが、野球と違い個人競技は自分との戦いでもある。そんな雰囲気に飲み込まれ緊張もしたが優勝する(63.60m)。横浜の日産スタジアムで行われた全国大会では各県の代表が集まる。本番ではガチガチになり、頭が真っ白になった中での1投目(68m)、2投目(66m)、記録が伸びない。その時石川県選手団の野村総監督が各選手を集め応援を始めた。みんなの声援が耳に入った瞬間、自分は一人ではないと勇気が湧き、落ち着きを取り戻す。そして3投目、73.79m。自己最高記録を出しての入賞となった。
恵まれた身体能力と負けん気
小2の時、学童野球をやっている兄の練習に連れていかれ、キャッチボールとトスバッティングをさせてもらった。兄のチームメイトが「上手い、上手い」とほめてくれ、嬉しくなって野球を始めることになる。小3からキャッチャーとなり練習するがショートバンドが取れない、送球が決まらない、そんな時は「何としても乗り越えたい」と思い、練習が休みの日でもコーチに個人特訓を願い出たという。石崎メッツの西川監督は「どうしたら良いのか自分で考えろ」が口癖で、児童自らに課題の発見と解決を指導しているのだ。小橋コーチも体のバネと柔軟性が人並以上に優れており、そこに負けん気が加わるので、今年ピッチャーをやらせてみたが七尾市学童野球秋季大会で優勝という結果を出し、今ではチームの要であり起爆剤的存在だと言う。
三位一体
「ソフトボール投げ全国6位も今年の秋季大会の優勝も同じくらいに嬉しいです」と素直に話す隼翔くんの夢は甲子園に出ることだ。三振を奪ったり、仲間のファインプレーでピンチを脱した時など野球は面白く、だから続けたいと言う。野球を続けている兄と時に二人で自宅練習をする。お父さんが接骨院の先生なのでさりげなく筋肉の疲労などを診てくれる。お母さんも食事に気を配り練習や試合に声援を続ける。「上手い、上手い」と野球に興味を持たせてくれた先輩。「考える野球」を指導する監督、声援を飛ばしてくれた県選手団、恵まれた資質、強い意思、そして何より自分を理解し応援してくれる人が身近にいる事が能力を最大化させるのである。