第64回 中能登町 新庄
在所名の由来
この辺りは、平安から鎌倉にかけて荘園として開墾されているんだよ。 その荘園の拠点がここでね。 荘園は庄園とも書いて、それで新しく出来た庄園、新しい庄、新庄となったと言われているよ。
在所の今昔
元来、農業で生計を立てていたけど、 昭和30年代から俗に言う「八台機場」の織物業も盛んになって30軒程あったけど、オイルショック以降、みんな辞めちゃってね…。 新庄は昔から防災意識の高い在所でね。 両脇を流れる二本の川は、耕作には大事な川なんだけど、洪水の被害も大きくなってしまうんだよ。 特に石塚川は天井川で川底が田んぼより高くて、子供のころは雨が降って水位が上がると、太鼓を鳴らして警戒していたよ。 今は河川改修が進んで石塚川の一部を道路に変える工事中だよ。 それと防火対策も昔から徹底していてね、農業用ため池を利用していざと言う時にその水が在所中に張り巡らせた防火用水路に流れるようにしてあってね、更に在所の真ん中には昔からの半鐘が今も設置してあるよ。 そんな伝統があるので、自衛消防団も組織されていて消火栓の点検や夜間パトロールなど実施しているけど、お金をかけずに、身の回りの細かな事をしっかり取組むことが大事やね。
在所の自慢
曳山が豪華絢爛でね。本来は氏社に慶事があった時、お祝いに曳いていたけど、近年は鳥屋の曳山として町祭に勢揃いし、雄姿が復活して喜ばしいよ。 それと信仰が厚い在所で太子講、同士講、若い衆恩講、地蔵祭りなど伝統があって、仏事や祭りを軸に在所がまとまっているのは本当にありがたい事だよ。 在所の神社には歴史をずっと見続けてきた樹齢約八百年の大杉が二本あってね、この大杉に恥ずかしくないように在所をしっかり守り続けなければ…と願っているよ。