こみみかわら版バックナンバー

第105回 田鶴浜白浜町


町名の由来


在所の海岸に黒岩と書いて「くるわ」と呼んでいる船着場があるんだ。
そこへ行くと黒くて大きな溶岩みたいな岩があるけど、
在所の神社の鳥居の前にも同じ大きい黒い岩があるんだ。
その間の距離が約500mあってね、実は地中でこの岩がずーと
直線でつながっていると伝わっているよ。
これが何を意味するかというと、在所の氏神、
白比古の神は石船に乗って黒岩に来臨し神社に入ったんだけど、
その石船が通った跡ともその石船だとも言われているんだ。
白比古の白、黒岩の浜、古文書や在所に伝わる話からすると、
どうもそんな神社の縁起が白浜の由来のようだよ。


昔の在所


特産として江戸時代にはみかんの生産が盛んだったんだ。
みかん祭りまでしていたというからね。
みかんと言っても青い密柑で、越中の修験者が持参したものを栽培したのが始まりで、
杉森町で作った竹籠に入れて金沢へ運んだり、
越中富山の薬の材料として白浜の港から小船で運んでいたと聞いているよ。

それと明治時代に大津潟を埋めて干拓事業を行っているんだ。
湾岸道路の 明治橋もその名の通りその時に架けられたんだね。


現在の在所


能登三十三観音霊場の二十二番札所、
白浜牛ヶ鼻観音堂に祀られている十一面観世音菩薩は、
三十三年に一回の御開帳で今年がちょうどその年だったんだ。
在所で奉賛会を立ち上げて厳かの中にも盛大に執り行うことが出来てホッとしたよ。
長谷部信連の子孫がここに祀ったのが始まりなんだ。
だから穴水の長谷部神社と同じ銭九曜の神紋だよ。

秋祭りは中島の熊甲祭と同じ枠旗祭なんだ。
田鶴浜では大津、深見、白浜が枠旗を出してるよ。
昔は白浜だけで、三本の枠旗を出したけど、
今は少子高齢化で一本だけど、隣の深見と合同で祭りを行って伝統を守っているんだ。 
ほ場整備に合わせて農業法人を立上げ準備中だよ。
先祖からの農地を荒らさないで繋いでいかんとね。

これから、どんな時代になるかわからんけど、足元に眠っている宝物を見つけて、
出来る事を一つ一つ、全力投球でやっていかんとね。


まぁの一言


岩船と十一面観世音菩薩。
伝説と歴史の在所。