こみみかわら版バックナンバー

第110回 中能登町 二宮


在所名の由来

羽咋の気多大社が能登国一宮で、在所の天日陰比咩(あめひかげひめ)神社が
能登国二宮と鎌倉時代に定められたんだ。
それでこの在所が二宮となったと思っている人が多いけど、
本当はそのずーっと前から二宮なんだよ。
天日陰比咩神社の境内に、もう一つ伊須流支比古(いするぎひこ)神社があるんだ。
この二つの神社があるから、この在所を二宮と呼んだんだね
。後に泰澄大師が石動山を開山する時、伊須流支比古神社から
御霊を分霊したんで石動山を上社、こちらを下社とも言ったりもするよ。

宿場町

東往来の宿場町で大きな旅籠が3軒、馬も33頭いたと聞いているよ。
江戸時代に宿駅伝馬制度が定められ各地の街道に宿駅を設けて
その区間ごとに荷物や手紙をリレーして運んだんだ。
そこに人や荷物が集まり宿場となっていくんだね。
両隣の宿駅は江曾と高畠で、二宮の荷役区間は飯川から久江までだったんだ。
当時のトラブルが記された文書を見るといろんな事があったようだよ(笑)。
それと駅伝競走も駅から駅へ伝えるこの制度にちなんで駅伝なんだよ。
ここは石動山の登り口でもあるし、当時は本当に賑わったんだと思うよ。

どぶろく

二宮神社ではどぶろくを造っているんだ。
12月5日の新嘗祭は在所ではどぶろく祭りとも言って新酒を神様にお供えし、
直会(なおらい)でご相伴に預かるんだ(笑)。
どぶろく造りが認められた神社は県内で三社あるけど全部が中能登町にあるんだよ。
区民が自然農法で酒米を作りそれでどぶろくを造るんだ。
それとここは二宮川の豊富な水で恵みを頂いてきた在所だから、
その感謝を忘れないようにと子ども会で田植え、稲刈り、餅つきの行事も行っているんだよ。

これから

町では在所で一人は防災士という方針だけど、
今年は四人にお願いして防災士の試験を受けてもらうんだ。
それと区の山が猪に穴だらけにされているので、間伐して整備しておきたいね。
今年33回を迎える区民運動会、獅子舞も春秋と踊るし、
老若男女が何事も一生懸命に頑張っている姿は頼もしいよ(笑) 

まぁの一言

比咩と比古が鎮座し、神仏のご加護あり。
昔も今も活力ある在所。