第129回 中島町上町
町名の由来
中世の熊木郷で熊木川の辺にあった市姫宮には
月に三度の市がたち賑わいを見せていて、
その市姫宮の川上に位置した在所がここで、市姫宮の上の在所、
上の町となったという話が伝わっているよ。
市姫宮はもう一つ在所にあった高瀬社と合祀移転し
現在の上町の市姫神社となっているんだ。
熊甲祭り19の末社の内、上町だけが女の神様、姫神社なんだよ。
残る18が男の神様で、女の神様に見初めてもらおうと張り切って祭りをするんだ。
この世は虫も魚も動物も人間も、雄が雌に認めてもらうのに必死なんだね(笑)。
女房を山の神とも、上さんとも言うけど、女性の方が偉いんだと思うよ。
姫神社がある在所ゆえに、上さんの町、上町かもしれんね(笑)。
昔の在所
中島の商店街は熊木川に沿って発展したんだ。
昔は河口から上町橋まで海上航路の船が上がっていたんだ。
奥能登や七尾からの生活品を荷揚げしたり、木材を積み込んで搬出したり、
人も船で移動した方が便利な時代だったんだ。当時の上町橋周辺の通りは提灯を
吊るした飲食店等が軒を連ね中島の歓楽街として賑わっていたんだよ。
熊木川に船が上がるのに昔から川砂を上げては川底を深くしていたけど、
今でもカキ貝の船や釣船が通るし、集中豪雨などで氾濫しないように
防災面からも河川改修が少しづつ進んでいるよ。
在所の中には町内で一番大きな熊木小学校があって子どもの声が
聞こえ活気あったけど、平成16年に中島町の全ての小学校を統合して
上町の小高い丘の上に中島小学校が出来たんだ。
通学はスクールバスになって昔ほど子どもの声が聞こえなくなったけど、
それでも近くに学校があるということを喜ばんとね。
これから
今年は市に申請した消防の宝くじに当たって神輿の塗替えをしたんだ。
なんせ若い衆の団結心が嬉しいよ。熊甲祭りの人足不足はどの在所も深刻だけど、
ここは若い衆が宇出津のあばれ祭りや石崎の奉燈祭りに
参加しながら粋の良い若い衆を呼んで法被を揃えるから祭りはお任せだよ。
活発に活動している小牧の壮年団とも10年以上も親睦を深めて祭りのあり方を話し合っているから、
都会に出ていても祭りだけに戻ってくる人も多くなったよ。
そんな元気を貰って年寄も行事ごとには積極的だし、この勢いを維持していきたいところだね。
かなこの一言
姫が宿る在所
男子一番、姫を護る