こみみかわら版バックナンバー

第10回 中島町大平


中島から志賀町へ向かう山の中、道沿いから見える風力発電の風車が印象的。そんな大平にやってきました。

大平はどんなとこですか?

35年前に縁あって大平に来たんだけどね。そのころはもう、戸数も5軒しかなくてねー。ちょうど6月で、静かな夜にカエルの鳴き声がやたら騒々しい。俺が生まれたのは海のそば。波の音を子守唄にして育ったんで大シケでもスヤスヤ寝てたよ。だけど、カエルの鳴き声には、なかなか眠れなかったな (笑)

それからの生活はどうでしたか。

春は、うど、わらびが山で採れてね。夏は、海が好きなんで実家の海に行ってた。 (笑) 秋は、きのこや栗拾いもしたけど、ほとんどが田んぼ仕事やった。冬は、ひたすら雪かき・・・(笑)

ここ大平も、春と秋に祭りがあってね。・・・と言っても、宮に参るだけ。藤瀬から宮司さんが来てくれて、一升の酒と、お供えとお重の料理を持って、みんなで眠くなるまで酒盛りや。この集落も今では、3軒しかないからもう親戚みたいなもんで、何かあったらすぐ助けてくれるよ。

大平のいいところは?

いいとこは、やはり静かってことくらいかな。(笑)・・・だからといって悪いとこもない。こうして静かな所にいると、町中に住みたいとは思わんね。町会長も17年してるけど、会合が多いだけで気楽にできるのはここ大平だからこそ。
今では、あれほど気になったカエルの鳴き声もすっかり俺の子守唄になったよ・・・うん。 (笑)