第11回 七尾市田鶴浜町
田鶴浜といえば建具の町。そんな田鶴浜町の町会長、井上 茂さんにお話を伺います。
田鶴浜はどんなところですか?
田鶴浜(たつるはま)は七尾市の中央に位置する町。古くから周辺地域の交通の要衝として栄えてきたね。
一六五〇年、東嶺寺の再建にあたり、尾張から指物師を招いたことが、建具が栄えるきっかけ。戸障子や欄間とかの匠の技を村人達が伝承して田鶴浜は建具の町として発展したんやわ。
赤蔵山も有名ですよね。
通称「あかくらごんげん」や。赤蔵山の名前の由来でもある御手洗池(みたらしいけ)が有名で、全国の名水百選にも選ばれたんやよ。言い伝えでは、戦国時代に戦いに敗れた武将が愛馬もろとも入水した、底無し沼ねん。元旦の未明に赤い鞍が浮き上がることから、「赤蔵」の地名が生まれたということやわ…。
井上さんが子供の頃の田鶴浜はどんなでしたか。
田鶴浜は海も山もあるから、四季折々、自然を相手に楽しく過ごしたなあ。田鶴浜は昔からいい所やったねえ。町営の海水浴場があったけど砂浜じゃないし、まずたくさん生えとる藻を刈ってから泳いだんやよ。赤蔵山の冷たい湧き水で、スイカを冷やして食べたりね。
それでは今、井上さんが力を入れていることは何ですか?
地域福祉ネットワークといって、各町内に自主防災組織を作ってもらってん。この十月には、津波を想定した大々的な避難訓練をしてんよ。ご近所、向こう三軒両隣の絆を深めて、連絡を取り合って、お互いに助け合っていこうということやわ。地域の皆さんの生活の目配り、気配りのある安心して住める町にしていきたいね!