こみみかわら版バックナンバー

第222回 七尾市上府中町


在所名の由来

昔の府中村の一部でね、ここは本府中でその中が通称上出、中出、山王出と分かれていて、ここは中出と呼ばれていた地域なんだ。

昭和二十五年に七尾市が新町名に変更するときに、港の方に府中町があるのでこちらは港に近い中出を上府中町とし、上出を本府中町にして、山王出は山王町としているんだよ。

昔の在所

姓の在所だよ。田んぼはほとんど本府中にあって、在所の中には苗代田くらいだったね。

昔は長福寺から南側が百姓町で北側が商人町だったんだ。子供の頃は町方と百姓方の大きな壁を感じていたよ。町方に近寄り難いコンプレックスを感じていたね。

町方で子供にザイゴが移るから川原町の交差点を越えてあっちにいったらだめだと言っていた人もいたよ。弁当も町方はウインナーに海苔とか垢抜けているし、こっちは玉ねぎ炒めなど野菜中心の弁当で羨ましかったよ。文化が違っていたんだ。

在所を流れる神戸川で土用の丑の日にドジョウを捕って缶に入れて銀座の魚屋へ持って行って小遣い稼ぎしたもんだよ。

川原町交差点が出来たら賑やかな通りになったんだ。東往来に面して舟木タバコ、モウリ書房、矢田建材、田中電機、草津湯、武田たまご、原田家具、肉の扇屋、武田産婦人科、錦川接骨院、スナック雅苑、西野駄菓子、末吉ふとん、ワシオ電気、小料理とき亭とお店が並んだんだ。

小さな在所だけど独立自尊の気概があって大きな矢田郷村の村長に二人も輩出しているんだよ。

現在の在所

百姓コンプレックスも時代が変わると、その田畑のおかげで土地持ちに力が付き自信が持てるようになったんだ。しかし、今また時代が変わり街の真ん中なのに限界集落になっているんだよ。

青壮年会は巴町と合体して頑張っているけど、祇園祭に奉燈が去年も今年も参加していないんだ。お囃子の子供が一人もいないし、担ぎ手がいないのでどうにもならないんだよ。私が小学校2年の時に獅子舞が中止になったんだ。

祭りは青壮年会も町内もまとまる唯一の力があるし続けたいと思うけど難しい問題だよ。
こじんまりした在所だけど団結力があり物事がすぐ決まるこんな住みやすい町はないと思っているんだ。

あきこの一言

城下の外れ、道が通り栄し在所。
見えない壁、懐かしむ。