こみみかわら版バックナンバー

第73回 七尾市三室町

崎山半島の七尾南湾に面した位置にあり、液化ガスターミナルとLPガス国家備蓄基地のある151世帯、413名が暮らす在所です。

三室町会長 山崎 秀行(やまざき ひでゆき)さん



在所-七尾市三室町-在所名の由来


在所では「御室」が「三室」に変化したと聞き伝わっていたんだが、平成7年に石川県立図書館史料編纂室が古文書から三室判官という鎌倉時代の御家人がこの地にいたことを発見してね、それで在所名がこの御家人の名前から三室となったということが分かったんだ。
それ以前の平安時代は長浜と呼ばれていたことも古文書に出てくるよ。三室の海岸は2キロもあるからね。



昔と今


昔は半農半漁の在所でね。なまこや魚を地引網で曳き、えご草といって寒天の材料の海草を採ったりしていたよ。子供達は学校帰りキンコを作るのに道端に干してあるなまこをつまんで食べていたよ。そのころは向かいの能登島の二穴の田んぼも耕していてね、丸木舟を二艘並べて縛って、牛を乗せ櫓と櫂で漕いで渡っていたよ。
太田火力前の赤碕の山が急峻な山で昭和28年に道路が出来バスが通るまでは陸の孤島だったよ。七尾へは船か山道を歩くしかなく、バスが通ってから勤めに出るようになったんだね。
LPガスの備蓄基地のある場所がトクサ地区でね、昭和48年に北電がトクサ地区に火力発電所建設の計画を発表したんだ。それからというもの賛成、反対で在所が二分して辛い時期があったけど、今は円満に暮らしているよ。



在所の自慢


平成14年から自主防災組織を立ち上げて防災設備の充実や訓練など様々な施作を取り入れ全員参加で積極的に取組んでいるよ。おかげでエネルギー基地の町としての誇りと心構えが町中に行き渡っていることかな。年寄りが増えている分、日々穏やかで安全に暮らしていける在所をこれからも目指したいね。



あさみのひとこと


在所を歩くと福浦婦人会売店の看板が、3人のお母さんと雑貨と食料品、郷愁を感じるお店でした。