こみみかわら版バックナンバー

第72回 中島町熊野

254中島町熊野 在所名の由来


昔この地区の岡、岩崎、下の三つの集落を合わせて山谷(やまんたん)と呼んでいたんだけど、明治二十二年の町村制実施に伴い、この地区の熊野神社の名前から在所名を熊野とつけたらしいよ。今でも山谷(やまんたん)と呼んでいる年寄りも多いんだよ。一村一字の名残で住所は字熊野ではなく中島町字中島なんだけどね。



昔と今


ここは中島商店街の外れに位置した里山で農業が中心だったね。特に岡地区では中島菜の栽培が盛んでね、ここの土壌が一番適していて美味しいということで、日航の国際便の機内食のお漬物に使われていたこともあったよ。昭和三十二年町営住宅一号、昭和四十三年中島初の企業誘致もこの在所だったし、役場庁舎や能登演劇堂も出来て、何かと動きのある在所だよ。ただ少子高齢化の波はどうしようもないね。子どもが少なくなっていくことは寂しいよ。そんな中、中島中学校が旧役場に引っ越す予定なので、在所の中に子どもの元気な声が聞こえる事は活気があって嬉しい事だよ。現在は老人会から引継いで国道の清掃や花壇の草刈など年に三回実施しているけど、自分たちの住む地域は行政と連携の上、出来る事は自分達でという考えが必要な時代じゃないかなぁ。今、「熊野いきいき事業」として環境美化、防災対策、高齢福祉を掲げて取組んでいるよ。



在所の自慢


在所世帯の三分の一が移転して来た人たちだけど、子ども達がすぐ仲良くなって、昔からの人と新しい人との融和が進んでいくんだね。在所の中が和気藹々やっていっていることがなにより嬉しいね。在所も子はかすがいということだよ。