こみみかわら版バックナンバー

第61回 七尾市八幡町

243七尾市八幡町

在所名の由来

在所の神社がかなり由緒のある八幡神社でね、能登の八幡神社の惣社として建立されたそうだよ。 畠山氏も神社を守るために田を寄進されているし、焼失などの変遷がありながら、現在の場所に移り、江戸中期に改築された記録があるよ。 そんな八幡神社のある在所だから「八幡」となったんだね。

昔と今

明治から昭和初期まで「八幡むしろ」が有名なんだよ。 記録によると、八幡の七之助、恒右衛門の二人が、近郷の在所に働きかけ、北海道の海産物を包装するための「むしろ」を作り始めたんだよ。 明治41年に鹿島郡莚商組合を発足させて、原料の藁は奥能登から買い集めるほど大量生産してね、農村最大の副業となっていたらしいよ。 今は特別の産業はないんだが、家の数が増え続けてね、40年前の2倍なんだよ。 小学生も46人いて、 獅子舞も小学生だけで踊るよ。 新しく住む人には、在所の行事や祭りに参加してもらうので、すぐ顔なじみになってね、八幡に住んで良かった、八幡が好きだと言ってもらえるのが一番嬉しいことだよ。

在所の自慢

神社も古いが、その絵馬も古くてね、昨年テレビ取材していったよ。 能登半島沖地震で拝殿の復旧の際、絵馬の後ろに色々書かれていたので専門家に見てもらったら、加賀藩内が日照り続きのとき、雨乞いをした絵馬でないかということで、県内でも最も古い部類の絵馬だそうだよ。 在所のいろんな伝統を新しい人たちと融和してしっかりと受け継いでいけるのも自慢の一つだと思っているよ。