第58回 中能登町久乃木
在所名の由来
二つの説があってね、昔この村に大きな椚(クヌギ)の木が植わっていたという話と、この辺り一帯が来木野(くぬぎの)と呼ばれた原野だったからという話とを聞いているよ。
久乃木の歴史
明治期には養蚕・機場・木挽き・大工・農業などで生業を立てていたと、記録に残っているよ。 この在所にはね、飛鳥時代の文武天皇のお母さん、柏妃(かしわのきさき)のお墓があるんだよ。 伝承では西暦703年に都から巡幸の旅に出てこの地を訪れた際、在所の家々で作った甘酒を献上し、稚児の舞や天狗の舞を披露したところ、大変喜ばれた柏妃は村人とも親しく交流し長らくこの在所に逗留されたそうだよ。 よほど気に入られたようで、都で亡くなるとき久乃木に分骨埋葬するよう遺言されてね、それで久乃木神社にお墓があるんだよ。 その命日が旧暦で9月9日、 現在の10月8日でね、この日が在所の秋祭りなったんだね。 そんな由緒あるお墓をしっかり保存するため、昨年在所で整備し、祭りには、甘酒を墓前にお供え、獅子舞を踊って供養して行く事にしたよ。 案内板も建てたから、みんな立ち寄ってもらえると嬉しいね。
在所の取組
老人会や子ども会なども一緒になって、公民館運営委員会を組織してね、左義長・盆踊り・スポレク大会・文化祭・餅つき大会など小さな在所だけど盛大に行っているよ。 11月の文化祭に出品された作品は70点もあり、見ごたえがあったよ。 子どもから大人まで自由闊達に交流し、支え合う在所であり続けたいと願っているよ。
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