第50回 七尾市佐野町
町名の由来
山裾に広がる平野のことを佐野と言うらしいよ。それと、ここは隣の佐味町に本家がある家が多いんよ。門徒寺も佐味の龍光寺、氏神も佐味の八幡神社から御玉を頂いていてね。そんな事から、在所そのものが佐味の分家のように発祥したんではないかと思うね。それで、佐味の佐、城山の裾野の野、佐野となったのかもわからんね(笑)
昔と今
昔は田んぼと畑で暮らしていた在所だよ。山裾は開墾されていてね、私が子供の頃はずーと段々畑が続いていたよ。 有名な沢野ごぼうと同じ粘土質の土でね、茄子やごぼう、サツマイモを植えていたね。 薪ストーブで焼いたサツマイモは何個食べても胸焼けしないし、本当に美味しかったよ。 今はね、佐野ファームという組合を設立して、在所の殆どが参加しとるよ。 中山間地を維持する役割と在所の活性化の軸として取組んでいてね。 岩魚などの川魚の養殖も試みていてね、最近はトンボやホタルもいっぱいいるよ。
在所の取組
山裾から田園に高田川という川が流れていてね、水がとてもきれいなんだよ。 5年前にその河畔に桜の木を100本植えたんだよ。 そしたら今年から青年団が草刈してくれてね。今度は七尾一長いベンチを作って桜の名勝にしようと皆で話しているよ。
佐野の雨乞い
大正時代に日照りが続いたとき、佐野の八幡神社に近郷の在所からも沢山の人が集まってね、境内の大きな杉に櫓を組んで、その上で、あの髭の本宮神社の宮司さんが若かりし頃、雨乞いの祈祷をしたんだよ。 そしたら雨が降ってね。 みんな大変喜んでお祭り気分になったそうだよ。 その日が7月19日でね。そこから佐野の納涼祭が19日になったんだよ。
在所の自慢
何と言っても絆が強い在所だよ。世帯も少ないので家族的な町会運営でね、東湊地区の社会体育大会では昨年まで6連覇だったよ。分家した町だからみんな家族みたいもんなんだよ。
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