こみみかわら版バックナンバー

第62回あなたの仕事は?「教習指導員」西村 晃一さん


教習とはもてなしの心なり

わたしの仕事は「教習指導員」です。
西村 晃一(にしむらてるかず)さん(47才)
仕事歴10年

教習指導員の仕事とは

教習指導員の仕事とは、運転技術、安全知識など深く理解し、交通事故を起こさない優良なドライバーを社会に送り出す仕事です。

教習の統一

業界で永遠のテーマが教習統一の問題です。この先生は分かりやすい、あの先生は分かりにくいということを限りなく少なくするために委員会を立ち上げプロジェクトリーダーとして取組んでいます。昔は先生が生徒を指導し免許を取らせる。そんなイメージでしたが今は生徒ではなくお客様、先生ではなくインストラクター。そんな関係の中で単なる免許取得の学校ではなく、社会に優良なドライバーを送り出す使命を担うのが教習指導員だと思います。車社会の現代、地域になくてはならない半ば公的な学校でありながらも民間会社なんです。平成三十年から十八歳人口が急激に減少していきますが経営を考えると危機感を覚えます。私たちにどんな努力が求められるか、何が出来るのか、そんな取り組みの一環として教習統一に力を入れています。

笑顔が見たい

前職が一級管工事施工管理技士で、十五年間会社勤めをしました。毎日夜遅くまで何通りもの施工図を作成して提案します。そうやって一生懸命やってもお客様の顔が見えないのです。喜んでもらえるのは役所の担当者か会社の上司です。もっと直接的に人様に喜ばれ、役に立つ仕事がしたいと何年間も考えていました。そんな想いが高まり転職を決意します。タイミングよく教習指導員の求人を知り、学生時代ずっと二トン車で配送のアルバイトをしていたほど元来車好きの私は迷うことなく応募しました。



おもてなし

七尾自動車学校では普通と中型の自動車とオートバイ、そして除雪車などの大型特殊車の五種類の指導を行いますが、それぞれに教習指導員の資格が必要です。一年に一種類しか受験できないので五年かかり、更にその技能検定員の資格も同じく一種類を一年毎に受験しますので、全部取得するのに十年かかります。このような期間が必要なのは教習指導員には運転技術を画一的に教えるのではなく、男女や年齢の違いなどその人に合った指導が求められるからです。その人の特性を察知し、コミュニケーションが出来、適切な指導を行う。一人前の指導員となるための熟成期間なんですね。段階ごとに教える決まりがありますが、教科書にない目配りを伝え、自分なりに工夫した教え方を取り入れると確実にワンランク腕前が上がることを実感します。会社では教習指導員と中間管理職としての立場にあり正直言って大変です(笑)。夏には県外の大学生が合宿免許に来ますが、みなさん楽しみながら合格していきます。そんなお客様をゲストとしてお迎えし、能登の良さをもっと知ってもらう機会にしようと、今年は七尾検定初級を全教習指導員で挑戦しました。人との関わりを大切に出来て、世の中に役立つことが出来る、そんな仕事が出来る事に感謝しています。 



七尾自動車学校 ☎0120‐025 -770

2015年取材