こみみかわら版バックナンバー

第63回あなたの仕事は?「警察官」達 和茂さん


善きも悪しきも心の鏡

私の仕事は「警察官」です
達 和茂(たつ かずしげ)さん(36歳)
仕事歴14年

警察官の仕事とは

私の仕事は七尾警察署地域課長です。七尾署管内3交番と17駐在所に勤務する警察官と共に近隣の相談ごとやパトロール、事件事故の初動対応の責任者として勤務しています。

記憶に残る逮捕

放火犯人の逮捕です。動機はあるか?関連性はどうか?聞き込みから得た情報や状況から追跡のシナリオを描き、ついに発見、そして逮捕。上司への報告連絡も密に取りながらも、自分で考え24時間体制で事を進めました。一つの事件を解決した安堵感と、あらためて警察官として使命の重責を感じた瞬間でした。

安全安心の砦

私は子供の頃から刑事ドラマが好きで警察官に憧れていました。石崎小学校3年生の時に和倉剣道教室に通いはじめ、中学、高校、大学と剣道を続けていたこともあり、迷わず石川県警の採用試験を受けました。金沢中署の地域課から始まり、機動隊、生活安全課、刑事課、そして警察本部捜査一課にも配属され、現在は地域課長という立場で地元七尾署勤務となりました。色々な部署を経験する中で、世の中には様々な環境や境遇があり、多様な価値観の中で多くの人が暮らしていること、だからこそ様々な問題が発生し、それが事件事故に繋がっていくのだと実感しました。私たちは事件や事故が起これば真っ先に駆けつけますが、そうならないように未然に防ぐことの方がより大切だと思います。特に地域課は交番、駐在所を管轄していますので、日頃から地域の人と関わりを深め、情報を共有し地域力を高め、安全と安心を守って行きたいと思っています。昨年、管内での振込み詐欺の被害は14件で、被害額はおよそ4,800万円でした。交通事故では7名もの尊い命が失われました。交通安全教室や防犯講習などを行っていますが、参加出来ない独居高齢者等のためにも巡回連絡や街角での声かけなどを行い、悲惨な事件や事故を防いでいきたいと思います。



警察官の世界

警察官は時には命がけの任務に当たることもあります。そのため柔道か剣道どちらかを選択し、日頃から肉体と精神を鍛錬しています。私は小学生から剣道を続けていたので、今は後進の指導にも力を入れています。47都道府県と皇宮警察の48チームで警察の全国大会が行われます。上位12位までが一部リーグとなりますが、警視庁や大阪府警など大都市圏の警察が常連です。7年前、私も団体戦のメンバーとして出場して二部リーグで準優勝し、一部リーグに昇格しました。この時は本当に嬉しかったです(笑)。また警察官は、昇進についても平等に開かれていて巡査、巡査部長、警部補、警部等といった階級毎に法律や実務などの試験を受けて昇任できます。ですから、警察官になってからも頑張り次第で昇進することもできるし、捜査等のプロとしてその道を極めることもできたりと多くの世界があるので、やりがいを感じています。警察官という仕事の本質は人の心に帰結し、とても奥深くそれだけに難しさもありますが、私はこれを天職だと思って、これからも経験を積みかさね、地域の安全を守っていきたいと思っています。



七尾警察署 ☎0767‐53 -0110

2016年取材