第64回私の仕事は「ガソリンスタンド店長」です。
自分を売るということ
私の仕事は「ガソリンスタンド店長」です
勝田 勇人(かつだゆうと)さん(30歳)
仕事歴 9年
ガソリンスタンドの仕事とは
私の場合、給油に始まりオイルやタイヤ交換、洗車やコーティング、
簡単な整備など車に関する様々なお困りごとの解決や、
悩み事のアドバイスをさせて頂いております。
能登唯一の手洗い洗車機
セルフのスタンドが増える中、
共立商事のスタンドは全店フルサービスなんです。
6年前、自動洗車機を入れ替える時、本当に自動洗車機が必要なのかと考え、
スタッフ、上司とも議論した末に「手洗い洗車機」の導入が決定されました。
私たちのスタンドはお客様と対面して、心のこもったサービスを提供することが使命なので、
洗車を手洗いに特化するということは、お客様と心を通じ合わせ、
徹底したサービスを提供していくという、決意の現れなんです。
この時期手洗いだと手は冷たいですよ。それでも心は熱いんです。(笑)
率先垂範
七尾工業高校を卒業後、スギヨで加工食品の製造をしますが、
直接人と関わる仕事がしたいと転職を決意しました。
高校時代に取得した危険物取扱乙種第4類の資格を活かせる職場がガソリンスタンドだったことも
あり共立商事に入社します。自分がお客の立場で見ていたスタンドと実際勤めてそのギャップに戸惑いました。
販売業ではなく接客業だったのです。先輩に礼の仕方から躾けられました。
最初はなんでそこまでするのかと反発もしましたが、「油を売るのではなく自分を売れ」と
指導を受け続けます。そして4年前店長になった時どうスタッフと接するか本当に悩みました。
怒鳴りつけてもお互い気分がよくありません。その頃、1歳の息子の行動が全て私の真似をしていることに
気付きます。変な言葉使いをしているので妻に自分もあんな言葉を使っているか聞くと、
そうだよと言われハッとしました。全ては自分の後姿なのだと気付き、
家庭と職場で率先垂範を心がけます。すると子供もスタッフも変わってきました。
率先垂範しかないということにやっと気付いたのです。先輩からまず自分が変われと
何年間も言われていたのですが、その時やっと腑に落ち、
先輩に話すと今頃になってわかったのかと笑われました。
私の場合、色々な教えを理解し実践出来るようになるには、体験が伴う熟成期間が必要だったのです。
うれしいこと
初めてのお客様は3秒でお店の印象を決めます。
日頃の接客に対する意識と行動が試される瞬間でもあり、
言葉使い、ドアの開け閉め、車の状態の確認など、どうすればお客様が喜んで頂けるか、
全てお客様の立場で行動します。
そんな積み重ねの中で、無愛想だった人がしゃべり出したり、用事が無くても顔を見せてくれたりと
お客様の和が広がります。おかげさまで紹介によるお客様も増えており大変有難いです。
また一人の人間として認めて頂き、プライベートでの嬉しかったことや悲しかったことを
聞かせて頂けるようになってきたことも嬉しいのです。お客様から頂く励ましの声を
スタッフ全員で共有し、毎日の中に小さな喜びをいくつも実感しながら、
この仕事が出来ることに感謝しています。
共立商事(株) 徳田給油所 ☎0767‐57 -1480
2016年取材