こみみかわら版バックナンバー

第88回 私の仕事は「魚屋」です。

笑顔でおせっかい



私の仕事は「魚屋」です。
川端 海富理(かわばた みどり)
仕事歴 12年


魚屋の仕事とは


私の場合はお店での調理・販売の傍ら、インターネットでご注文を頂き、「おさしみ直送便」という名前で、能登の新鮮な魚介をお刺身にして、鮮度を保ったままお届けしています。


母からの宅急便


母の愛情がいっぱい詰まっていました。都会で一人暮らしをしていた私に、母から届く宅急便。能登の素朴な食材で作ったお惣菜や新鮮なお刺身。私を気遣う親心を感じて本当に嬉しかったです。そんな母が介護を必要とする身になったことで、七尾へ帰り両親と暮す事にしたのです。帰郷して私に出来る仕事は何か?と考えた時に、ふたを開けた時のあの嬉しい気持ちを、今度は私が届ける側になり、七尾から能登のごちそうを全国にお届けしよう!と思いつきました。


IT音痴


ホームページを作成する!と意気込んでUターンしたものの、パソコンの電源の入れ方さえ「?」の私でしたので、まずは七尾の市民大学講座のパソコンセミナーに通い、2年がかりで基本操作を覚えました。その後ホームページ作成講座9回コースを真剣に受講し皆勤賞、それも同じ講座を二度通うも、私のスキルでは完成させられず(笑)、結局のところホームページ開設に4年もかかりました。


はじめての注文


念願かなってウェブ上にお店を構える事が出来たものの、1年目の注文は1つ。2年目は8つ。この状況をどうにかしたいと思い悩んでいた時に、市内の有志でネットショップの勉強会が行なわれている事を知り参加させてもらいました。この勉強会の連絡ツールはフェイスブックだったので私も始める事になります。おかげで東京の友人たちとSNSで再会することができ、私が能登で魚屋をしている事を知った友達が注文をしてくれました。それがきっかけとなり紹介や口コミでお客様の輪が広がりました。



愛情も入っています(笑)


オーダーメイド


これはパソコンが苦手で話好きな私にぴったりだと思いました。直接お話をすることで美味しいものを食べさせたい、おもてなしをしたい、というお客様の気持ちが伝わってきます。それでおせっかいでもと親身になって相談にのり、提案をさせて頂くうちに、お客様の裏方役、第二のキッチンとしての役割もあるのだと思えるようになりました。直接コミュニケーションすることでお客様との間に親近感と安心感が生まれ、今では毎日ご用命頂けるようになり本当に有難く思っています。また私は母が作っていたと同じように、化学調味料を使わず甘エビの頭と白井さんの昆布でお出汁を取り車麩煮など家庭の味を毎日お店に並べています。そしてそれらを全国の方々にもお刺身と共に郷土料理としてお届けしています。十人十色のご要望に答えるため、出来る数も限られ効率が良いとは言えませんが、美味しかった!ありがとう!と嬉しい言葉を沢山頂ける仕事になりました。これからも七尾の魚を通じて、多くの方々と感動を共有し、地元のお客様に、全国の皆様に愛されるお店になれればと思います。



創業55年の老舗


矢田新町 川端鮮魚
☎52-1916
2018年取材